お葬式コラム

終活の身辺整理とは?身辺整理のメリット・デメリットとやり方を解説!

身辺整理は、終活においてとても重要な取り組みです。自分の所持品や財産・人間関係などを整理しておけば、死後の家族の負担を減らせるだけでなく、自分の生活をシンプルかつ快適にすることにもつながります。
しかし、必要なものまで断捨離してしまうリスクもあるため、取り組む際には慎重な判断が求められるのも事実です。そこでこの記事では、終活の身辺整理のやり方やメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。

終活の身辺整理とは?いつからはじめる?

終活とは?

終活とは、「人生の終わりに向けた活動」を意味します。具体的には、自分の死後に備えて、財産や遺品の整理・葬儀の準備・家族や友人へのメッセージを残すなど、自分の最期を見据えた準備をすることです。
終活の目的の一つは、自分の死後に家族が遺品整理や相続手続きで家族が困らないようにすることです。財産の整理や相続の手続きを明確にしておくことで、相続時のトラブルを避けることもできます。 また終活は、自分の人生を振り返って心の整理したり、やり残したことを確認したり、最後まで自分らしく生きるための準備でもあります。

終活の身辺整理とは?

身辺整理は終活のメインの取り組みの一つです。自分の所持品や財産・人間関係などを整理し、必要なものを見極め、不要なものを処分することを指します。身辺整理をすることで、残していく家族にかけるかもしれない心配やトラブルを減らしたり、自身の不安や精神的な負担を軽減したりできます。また、身の回りを整えることで、より身軽で快適な生活を送ることにもつながるでしょう。

身辺整理を行うタイミングは?

身辺整理は、できるだけ早く、健康で判断能力があるうちに始めるのが理想です。多くの人は親の遺品整理を経験して、自分自身も早めに準備を始めることの重要性に気づきます。終活は遅くても60代から始めると良いとされていますが、若いうちから少しずつ準備を進めるのも良いでしょう。

終活で身辺整理をするメリット・デメリット

身辺整理のメリット

必要なモノ・コト・ヒトがわかり身軽になる

終活の身辺整理を行うことで、自分にとって本当に必要なものだけを残すことができます。生活がシンプルになり、日常の煩わしさが減少するでしょう。例えば、使っていない古い家電や着ない服を処分することで、家の中が整理整頓され、心地よい空間が生まれます。
また、不必要なものを手放すことで、物に縛られることが少なくなり、心身ともに軽やかになる効果があります。自分の所有物が減ることで、管理するストレスや心配事も減少します。

死後の家族の負担を減らせる

身辺整理を生前に済ませておくことで、家族が自分の遺品を整理する手間や時間を大幅に減らすことができます。遺品整理は物理的な労力だけでなく、精神的な負担も大きいため、この準備は非常に有意義です。
また、整理された状態で遺品を残すことで、相続手続きもスムーズに進められます。必要な書類や重要な情報が整理されていれば、遺族は余計な労力を費やすことなく、スムーズに手続きを進めることができます。

遺産相続の不安が解消される

財産を整理し、相続の手続きを明確にしておくことで、相続時のトラブルを避けることができます。具体的には、遺言書を作成したり、財産の分配方法を家族と話し合ったりすることが含まれます。これにより、家族間の争いを未然に防ぐことができます。また、法的に有効な遺言書を残しておくことで、相続手続きが円滑に進みます。

所持品の売却で財産や資産が増えることも

身辺整理の過程で不要な物品を売却することで、現金化し、財産を増やすことができます。例えば、使っていない高価な家具やブランド品・古いコレクションなどを売却すれば、それが新たな資産となります。 この資産を活用して新しい投資を行ったり、家族旅行や趣味に使ったりすることも可能です。

身辺整理のデメリット

必要なモノ・コト・ヒトまで断捨離してしまう可能性がある

整理の過程で、本当に必要なものまで手放してしまうことがあります。不必要だと思って処分したものが、後々必要になることも。これを避けるためには、各アイテムや関係性の価値を慎重に評価し、感情に流されずに冷静かつ慎重に判断することが必要です。
特に感情的な価値があるものや思い出の品については、よく考えた上で決断することが重要です。場合によっては、家族や信頼できる友人に相談してから判断するのも一つの方法です。

4つの身辺整理とやり方を解説!

1. 財産(お金・不動産・車・貴重品など)

お金に関わるものを整理する

各銀行口座の情報をリスト化し、通帳やキャッシュカードを一か所にまとめます。定期預金や外貨預金なども含めて、全ての口座を把握しておくことが重要です。
株式や投資信託・債券などの投資商品も整理し、保有する証券や投資信託の明細をまとめておきましょう。投資先の詳細や連絡先をリストにしておくと便利です。
このほか、生命保険や医療保険・損害保険などの全ての保険契約書も整理し、保険会社の連絡先や契約内容を一覧にします。特に保険金の受取人情報は確認しておきましょう。

不動産や住宅の処理を考える

所有する不動産の現状を確認し、必要に応じて売却や賃貸を検討しましょう。売却の場合は、不動産業者に査定を依頼し、最適なタイミングで売却手続きを進めます。賃貸にする場合は、管理会社と契約して運用を任せることができます。
相続手続きの準備も必要です。不動産の名義変更や相続登記の手続きを事前に確認し、必要な書類を整えておきましょう。相続が発生した際にスムーズに手続きが進められるように、専門家に相談するのがおすすめです。

貴重品を整理・売却する

宝石や骨董品などの貴重品を整理し、保管場所を明確にしておきましょう。不要な貴重品はオークションや専門店で売却し、現金化することも可能です。価値のありそうなものは鑑定に出してみると良いでしょう。

誰に相談する?

身辺整理をしていく中でわからないことがあったら、税理士や弁護士・ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談すると良いでしょう。専門家ならではの適切なアドバイスを受けられます。
・税理士
税務に関するアドバイスがほしい場合は、税理士に相談すると良いでしょう。特に相続税や贈与税の対策について専門的な知見が求められます。
・弁護士
遺言書の作成や相続手続きの法律的なサポートが必要な場合は、弁護士に。複雑な相続問題や遺産分割協議の際には弁護士の助言が不可欠です。
・ファイナンシャルプランナー
全体的な資産管理や運用に関するアドバイスが必要であれば、ファイナンシャルプランナーに相談を。財産の有効活用やリタイアメントプランの作成に役立ちます。

2. その他の所持品(衣類・家具・書籍・日用品など)

所有するものと廃棄・売却するものを分類する

所有する全ての物品をリストアップし、カテゴリごとに分類しましょう。衣類・家具・書籍・日用品などに分けて、それぞれのアイテムについて使用頻度や必要性を検討してください。
リストアップが終わったら、必要なものと不要なものに分類を。不要なものは、さらに廃棄するものと売却するものに分けておくと作業が進めやすくなります。

廃棄・売却するものを処分する

不要な物品はリサイクルセンターやゴミ収集業者に依頼して廃棄を。大型家具や電化製品は専門の廃棄業者に依頼するとスムーズです。 また、リサイクルショップやフリマアプリを利用して不要な物品を売却するのも良いでしょう。特に高価なアイテムやブランド品は専門店での査定を受けて売却するのがおすすめです。

どこに依頼する?

大規模な処分が必要な場合は、不用品回収業者に依頼すると良いでしょう。信頼できる業者を選び、見積もりを取った上で依頼することが大切です。小規模な物品の売却にはリサイクルショップを利用するのが便利です。持ち込みや出張買取を利用して、効率的に処分していきましょう。

3. デジタルデータ(パソコンやスマートフォンのデータ、SNS・Webサービスのアカウントなど)

パソコンやスマートフォンのデータを整理する

重要なデータは外付けハードディスクやクラウドサービスにバックアップを取っておきましょう。こうすればデータの紛失を防ぐことができます。あわせて、不要なデータや古いファイルは整理して削除を。特に個人情報が含まれるデータは慎重に扱うことが大事です。

SNSやWebサービスのアカウントを整理する

使っていないSNSアカウントやWebサービスのアカウントは削除しておきましょう。セキュリティリスクを減らすことができます。あわせて必要なアカウントのログイン情報は一か所にまとめ、家族に共有しておくことをおすすめします。パスワード管理ツールなどを利用すると簡単で便利です。

4. 人間関係

不要な人間関係を断つ

不要な連絡先やSNSの友達リストを整理し、本当に必要な関係だけを維持するようにしましょう。長期間連絡を取っていない人や関係が希薄な人はリストから外してしまって良いかもしれません。SNS上の友達リストも整理し、リアルでの関係を重視して必要な人だけを残しましょう。こうしておくことで、情報共有が必要な人とのみ連絡を取り続けることができます。

お葬式に来てほしい人のリストをまとめる

葬儀に来てほしい人のリストを作成し、家族に伝えておくのも忘れずに。リストには、名前・連絡先だけでなく、関係性も記載しておきましょう。

身辺整理のコツは?

身辺整理の内容はエンディングノートにまとめよう

エンディングノートとは?

エンディングノートとは、自分の人生の終わりに向けての希望や必要な情報をまとめたノートです。終活の取り組みを通してまとめたあらゆる情報を記載するもので、自分の死後は親族がその内容を確認します。そのため、自分にとって家族にとっても重要なノートといえます。

エンディングノートの書き方

エンディングノートは自由に書いてOKですが、以下のような内容を書くのが一般的です。
・財産について:銀行口座や証券・保険・不動産などの財産に関する情報
・遺言について:遺言書の所在やその内容
・葬儀について:葬儀の形式や場所・参列してほしい人の希望・使用する写真や音楽など
・医療や介護について:病気になった際の治療方針や介護施設の希望
・万一の際の連絡先リスト
・自分自身に関すること(生い立ちや人生について)、自分について伝えたいこと
・家族や親しい人へのメッセージ
なお、市販のエンディングノートは、書くべき内容があらかじめフォーマット化されているので便利です。一方、自作のノートは自由度が高く、自分に必要な情報だけを記載できます。
また、状況や心境が変わることもあるので、エンディングノートは内容を定期的に見直し、更新することも大事です。

期限を決めて少しずつ行う

身辺整理は一度に全てを行うのではなく、期限を決めて少しずつ進めることが大切です。例えば、1年間で全ての身辺整理を終わらせると決めて、その上で「1月は衣類の整理」「2月は書籍の整理」など、月ごとに整理する対象を決めます。さらに、「1月の第1週は冬物の衣類を整理しよう」「第2週は夏物の衣類を整理しよう」など、週ごとに具体的なタスクを設定するのも良いでしょう。

完璧主義は禁物!

身辺整理を完璧にするのはとても難しいものです。まずは自分にとって最も重要なものから整理を始めると良いでしょう。例えば、財産に関する整理を優先し、その後に衣類や書籍の整理を行うなど。完璧を目指さず、少しずつでも進んでいることを評価しながら、自分のペースで行うことが大事です。

まとめ

終活の身辺整理は、自分の人生を見つめ直し、最後まで自分らしく生きるための大切な準備です。早めに始めることで、心の負担を軽減し、家族への負担を減らすことができます。身辺整理って何からはじめてらいいの?とお悩みの方は、今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ計画的に身辺整理を進めてみてください。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

一覧へ戻る

お急ぎの方 無料相談 24時間365日いつでもお電話ください 0120-510-151

無料資料請求 資料請求で25,000円割引

無料資料請求 資料請求で25,000円割引

いますぐ電話する 24時間365日専門スタッフ対応