エンバーミングとは? 選ばれる理由をお教えします!
お葬式コラム
自宅で行う家族葬とは?メリット・デメリットやマナーについて解説!
自宅で行う家族葬は、近年注目を集めている葬儀の一つです。家族葬とは、家族やごく親しい友人のみが参列する、比較的小規模で私的な葬儀のこと。一般的な葬儀と比べ、参加者が少なく、形式にとらわれず、故人との別れの時間をゆっくりと持てることが大きな魅力です。特に自宅で行う場合、住み慣れた家で故人を見送ることで、遺族にとっても特別な時間を過ごすことができます。
この記事では、自宅で行う家族葬のメリットとデメリット、それに伴うマナーや注意点について解説します。
自宅で行う家族葬とは?費用相場は?
家族葬とは?
家族葬は、家族や親しい友人だけが参列する小規模な葬儀のことを指します。一般的な葬儀に比べて、参加者が少ないため、より私的で静かな雰囲気の中で行われます。形式にとらわれず、遺族の意向に沿った葬儀ができるのが特徴です。
家族葬は近年、日本で人気が高まっており、特に都市部では一般的になりつつあります。理由としては、葬儀にかかる費用を抑えられることや、個々の信仰や伝統に合わせて柔軟に対応できることが挙げられます。また、参列者が少ないことで、遺族が故人とゆっくりお別れする時間を持てる点も魅力の一つです。
家族葬を自宅で行う自宅葬
葬儀社に依頼して自宅葬
自宅葬を行う際、多くの人は葬儀社に依頼して準備を進めます。葬儀社に依頼する場合、祭壇の設置、遺体の安置、式次第の進行、参列者への対応などのサービスを受けることができます。
葬儀社が必要な設備や道具を持ち込み、家のスペースに応じた適切なレイアウトを提案してくれるので、初めて自宅葬を行う遺族にとって大きな助けとなるでしょう。
また、葬儀社は地域の風習や宗教的な儀式にも精通しているため、家族の希望に沿った形で進められるようサポートしてくれます。
自分たちで準備して行う
一方、葬儀社を使わず、自分たちで葬儀の準備をする選択肢もあります。この場合、遺族が主体となって、祭壇の設置や儀式の進行を手配します。必要な用品は自分たちで購入するか、レンタルすることになるでしょう。また、故人が信仰していた宗教に基づいた儀式を、自分たちで手配して執り行います。
この方法は、コストを抑えられる一方で、遺族にとっては大きな負担になる可能性があります。準備に時間と労力がかかるため、事前に十分な計画を立てることが重要です。
自宅で行う家族葬の費用相場は?
自宅で行う家族葬の費用は、葬儀社に依頼するか、自分たちで行うかによって大きく異なります。葬儀社に依頼する場合、一般的には50万円から100万円程度が相場とされています。この中には、祭壇の設置、遺体の処置、司会進行、参列者への対応などが含まれます。
一方、自分たちで準備する場合、費用はより低く抑えられ、20万円から50万円程度になることが多いです。ただし、祭壇や仏具のレンタル費用、式の進行に関わる雑費などが別途かかることもあります。
また、地域や家の広さ、故人の希望などにより、費用はさらに変動することがあるため、事前にしっかりと見積もりを立てることが大切です。
自宅で行う家族葬のメリット・デメリット
自宅で行う家族葬のメリット
時間を気にせず故人と自由に過ごせる
自宅で行う家族葬には、いくつかの利点があります。第一に、自宅で行うことで、時間に縛られることなく、故人と自由に過ごすことができる点です。
通常の葬儀場では、決まった時間内で葬儀を行わなければならないことが多く、遺族がゆっくりとお別れする時間が制限されることがあります。しかし、自宅であれば、故人と過ごす時間を家族のペースで取ることができ、心を落ち着けてお別れをできるでしょう。
葬儀のルールに関係なく、リラックスして過ごすことができる
一般的な葬儀場での葬儀は、形式や進行がきちんと決まっており、それに従って進行する必要があります。たとえば、葬儀の開始時間や終了時間が厳密に設定されていることが多く、遺族や参列者はその時間に合わせて行動しなければなりません。また、宗教的な儀式や、参列者への挨拶など、多くの慣習や決まり事に従わなければならないため、心の余裕がなくなってしまうこともあります。
これに対して、家族葬、特に自宅で行う家族葬では、こうした厳密なルールから解放されます。時間に縛られることなく、遺族のペースで進行できるため、故人とのお別れの時間をゆっくりと過ごすことができます。
例えば、故人が好きだった音楽を流しながら思い出話をする時間を設けたり、子供たちが絵を描いて祭壇に飾るなど、形式にとらわれない自由な時間を過ごすこともできるでしょう。リラックスした雰囲気の中で、故人との別れを大切にすることができるのが家族葬の大きなメリットです。
住み慣れた家で最期の時間が過ごせる
住み慣れた家での最期の時間を過ごすということは、故人にとっても遺族にとっても非常に大切な意味を持ちます。たとえば、長い闘病生活を送った末に自宅で息を引き取った場合、その場所で葬儀を行うことで、故人が生きた証を感じながら最期のお別れができます。
自宅という慣れ親しんだ場所での葬儀は、葬儀場での儀式とは異なり、より温かみを感じることができ、故人との思い出がより強く心に残るはずです。また、故人が日常的に見ていた景色や触れていたものに囲まれながらの葬儀は、単なる儀式ではなく、故人の人生そのものを感じる時間となるでしょう。
住み慣れた家での葬儀は、単に空間の問題ではなく、故人の存在を感じる場所で最期の別れを告げるという、非常に個人的で深い意味を持つものと言えます。
式場の利用費用がかからない
家族葬の一つの大きなメリットとして、式場の利用費用がかからない点が挙げられます。通常の葬儀では、葬儀場やセレモニーホールを借りるための費用がかかります。この費用は地域や施設の規模によって異なりますが、数十万円から百万円を超えることも少なくありません。葬儀にかかる費用の中で大きな割合を占めるのがこの式場利用費です。
しかし、家族葬、特に自宅で行う場合は、こうした式場の利用費用を大幅に削減することができます。例えば、自宅のリビングや庭を利用して、故人と家族だけで静かにお別れの時間を持つことができるので、式場の予約や利用料金を考慮する必要がありません。その分、費用を他の部分に回すことができ、たとえば、故人が好きだった花や音楽、あるいは特別な食事を用意するなど、故人をより深く偲ぶために使うことができます。
自宅で行う家族葬のデメリット
葬儀を行うスペースが必要
家族葬を自宅で行う場合、最も大きな課題の一つが、葬儀を行うための十分なスペースを確保することです。たとえ一戸建ての家であっても、リビングルームや庭など、十分な広さが必要になります。例えば、「参列者が入れる人数に限りが出てしまい、故人と親しかった友人や親戚の一部を呼べず、結果的に家族だけの葬儀になった」など、スペースの問題が葬儀のあり方を左右することもありえます。
集合住宅では難しい
上記の理由から、集合住宅やマンションに住んでいる場合、大勢の人を集めるスペースがない・近隣への配慮が必要などの理由から、自宅葬は難しいかもしれません。
葬儀に必要な準備を自分たちでやらなければならない
もう一つの大きな課題は、葬儀に必要な準備を自分たちで行わなければならないことです。通常の葬儀では、葬儀社がほとんどの手続きを代行してくれますが、家族葬では、特に自宅で行う場合、準備の多くを家族が担当する必要があります。
たとえば、祭壇の設置、遺影や花の手配、参列者への案内、さらには食事の準備や後片付けまで、多岐にわたる作業があります。葬儀社に依頼することもできますが、それでも自宅で行う以上、遺族にかかる負担は大きくなる可能性があります。
参加者への接待が必要
参列者への接待もデメリットとして挙げられます。自宅という個人的な空間での葬儀では、参列者に対してどのように接待すべきか悩むことがあるかもしれません。また、家の設備や状況によっては、十分な接待が難しいこともあるでしょう。
自宅で行う家族葬のマナーとは?
参加者を呼ぶときのマナー
まず、参加者を呼ぶ際のマナーに気を配りましょう。自宅での葬儀は限られた人数で行うことが多いため、招待する人を慎重に選ぶ必要があります。また、葬儀の日時や場所については、事前に詳細を伝えておくことが重要です。
香典や供物
香典や供物については、一般的な葬儀と同様に、故人や遺族の意向を尊重することが大切です。香典の金額や供物の内容についても、事前に参加者に伝えておくとよいでしょう。
参加者の服装
参加者の服装についても、一般的な葬儀と同様に、黒を基調としたフォーマルな服装が求められます。ただし、家族葬であることから、故人や遺族の意向でカジュアルな服装を許容する場合もあります。
葬儀後の弔問の有無
葬儀後の弔問については、自宅で行う場合、近隣住民や親しい友人が後日弔問に訪れることもあるでしょう。その際には、感謝の意を表しつつ、故人との思い出を共有する場を設けることが一般的です。ただし、遺族の気持ちや状況を考慮し、弔問のタイミングや方法については柔軟に対応することが大切です。
まとめ
近年増えてきている家族葬。ゆっくり自分たちのペースで故人とのお別れができる・費用が抑えられるなどメリットも多い一方で、自宅で行う家族葬は特別な場であるがゆえに、一般的な葬儀とは異なるマナーや配慮が必要です。また、デメリットがあることも理解しておく必要があるでしょう。
親しい人が亡くなった際の葬儀の準備や進行においては、遺族が心身ともに無理をせず、ゆっくりと故人との時間を過ごせることが一番です。自分たちにとって最も納得できる、最適な葬儀形式ややり方を選べるよう、日頃から話し合ったり決めておいたりすることが大事かもしれませんね。