お葬式コラム

生前整理のやることリストとは?リストの重要性や生前整理の進め方を解説!

生前整理では、断捨離やデジタルデータの整理などのさまざまな取り組みを行いますが、スムーズに進めるためのポイントとして「やることリスト」の作成があります。今回は、生前整理の概要や具体的な進め方の他、やることリストの重要性などについてもご紹介します。

生前整理とは?必要やメリット・デメリットを解説!

生前整理とは、自分が生きている間に自分の持ち物や財産を整理し、遺された家族に負担をかけないようにするための活動です。具体的には、物理的な持ち物(家具、衣類、書類、写真など)の整理や、デジタルデータ(メールアカウントやSNS、オンラインバンクなど)の整理、そして財産分与や相続に関する準備が含まれます。

生前整理とは?必要性は?

上述したように生前整理とは、自分の身の回りのあらゆるものを整理整頓する活動です。生前整理の必要性としては以下があります。

遺族への負担軽減

死後に残された家族が遺品を整理する際、膨大な時間や手間がかかる場合があります。生前整理を行うことで、遺族の負担を大幅に減らすことができます。

財産や権利の整理

生前に自分の財産や権利を明確にしておくことで、遺族間のトラブルを避けることができます。

自分の意思を明確に伝える

自分が亡くなった後、どのように物や財産を扱ってほしいか、明確な指示を残すことができます。

生活の質の向上

生前整理を進めることで、シンプルな生活が実現し、日常の管理が容易になります。
このように、生前整理の必要性はさまざまですが、ポイントは、死後だけでなく、残りの人生の快適性や充実度を高められるという点です。終活の一環だけでなく、現在の生活の質を高めるという意味でも効果が大きいといえるでしょう。

生前整理のメリット

生前整理のメリットについてご紹介します。

遺族の負担軽減

物の整理だけでなく、財産や相続の手続きも事前に整えておくことで、遺族が後々トラブルに巻き込まれる可能性を低減します。

遺族の負担軽減

物の整理だけでなく、財産や相続の手続きも事前に整えておくことで、遺族が後々トラブルに巻き込まれる可能性を低減します。

安心感の向上

自分の最期に備えて準備をすることで、精神的な安心感が得られ、残された人生をより充実して過ごすことができるようになります。

生活の見直し

物や生活習慣を見直すことで、自分の生活に対する意識が高まり、よりシンプルで充実した生活が実現します。

資産の有効活用

不必要なものを整理することで、売却や寄付を通じて資産を有効活用できます。

生前整理のデメリット

生前整理のデメリットとしては、時間と労力がかかる他、物品の処分の際に費用が発生することがあります。また、家族に相談なく生前整理の進めた結果、捨ててほしくないものを処分してしまい、家族関係に傷が入ってしまった、というケースも考えれます。生前整理を行う際には、このようなデメリットを踏まえて進める必要があります。

生前整理はどのタイミングではじめる?

生前整理をはじめるタイミングはそれぞれで、決まったタイミングなどはありません。最近では、ライフプランニングの一環として20代、30代から終活をはじめ、その取り組みとして生前整理を行う人も出てきています。タイミングはそこまで気にせず、自分のやりたいときにはじめるとよいでしょう。ただ、一般的には、リタイヤ前後や病気・引っ越し、家族の死などのライフイベントがきっかけになり、生前整理をはじめる方が多いようです。

遺品整理、老前整理との違いは?

生前整理と似た概念に、遺品整理や老前整理があります。それぞれの違いについてご紹介します。

遺品整理

遺品整理は、故人が亡くなった後に遺族や関係者がその持ち物や財産を整理することを指します。生前整理が本人の意思に基づいて行われるのに対して、遺品整理は遺族の手によって行われます。感情的な負担が大きく、遺族にとっては肉体的・精神的に大変な作業となることが多いです。

老前整理

老前整理は、生前整理の一環ではありますが、主に老後の生活を見据えて行われる整理のことです。生前整理が「自分の死後」に備える意味合いが強いのに対し、老前整理は「老後をより快適に過ごすため」に物や生活をシンプルにする目的で行われます。これにより、年齢を重ねても住みやすい環境を整えることができます。

生前整理の「やることリスト」とは?具体的なやり方を解説!

それでは、生前整理のやることリストとは何か?また生前整理の具体的な進め方についてご紹介します。

生前整理のやることリストとは?

生前整理のやることリストとは、活動内容をまとめたリストのことです。取り組みをスタートする前に、それらの情報をまとめることで、取り組みの全体像を把握しやすくなります。以下のように、生前整理の取り組みを細分化して、スマートフォンやノートなどに記載してみましょう。

生前整理のやることリストの例

・書類・紙類・洋服・家電・家具・日用品の整理
・写真・絵・記念品などの整理
・年会費や月会費を支払っているサービスの整理
・デジタルデータの整理
・やり残し、これからやりたいことをまとめる

また、やることリストには、「残りの人生でやりたいことをまとめる」という意味もあります。このようなリストをまとめることで、残りの人生の充実度を高めることができるので、生前整理や終活の一環として取り組んでみてもよいでしょう。

生前整理の具体的な進め方は?

それでは、生前整理の具体的な進め方についてご紹介します。生前整理を効率的に進めるためには、物をカテゴリーごとに分け、段階的に整理することが重要です。以下に、各カテゴリーの整理方法を詳しく説明します。

書類・紙類・洋服・家電・家具・日用品

書類や紙類は多くの場合、不要なものが蓄積しやすいです。生前整理の際には、まず以下の基準に従って分類・処分します。
・書類や紙類の分類と処分
保険証券、年金関連の書類、預貯金通帳、不動産関連書類、契約書、遺言書などは、わかりやすく分類し保管します。古い請求書や領収書、すでに完了した契約書、期限が過ぎたクーポンやチラシなどは処分します。必要書類の中でも、すぐに使う予定がないものや保存が必要な書類は、スキャンしてデジタルデータとして保存することで、物理的なスペースを減らすことができます。
・洋服の分類と処分
頻繁に着用するものや仕事などで定期的に使う服は残します。数年間使用していない服は、思い切って処分や寄付を検討します。また、傷んでいる、汚れている服は処分対象とし、状態の良い服はリサイクルショップや寄付に回すことを検討しましょう。
・家電の分類と処分
家電は使用頻度や状態に応じて、整理や処分を行います。テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、日常的に使う家電は除外し、使っていない旧式の家電や壊れている家電を処分の対象にします。処分するものは、リサイクル業者を活用したり、中古販売や寄付を検討したり、廃棄を検討しましょう。
・家具の分類と処分
家具は大きいため、部屋のスペースを取ります。必要なものだけを残し、使わない家具は処分しましょう。
処分対象で、状態の良い家具はリサイクルショップやオンラインで販売、大きな家具の処分は行政のルールに従って処分するか、専門の業者にリサイクルや廃棄を依頼してもよいでしょう。
・日用品の分類と処分
歯ブラシ、タオル、洗剤など、日常的に使うものは整理し、必要量を確認します。長期間使っていないものや、ストックが余っているものは、使い切るか処分しましょう。また、日用品のストックは、必要最低限にとどめ、無駄な買い物を防ぐことも大切です。
・写真・絵・記念品などの分類と処分
写真や記念品は感情的な価値が高いため、整理が難しいカテゴリーです。捨てるのが難しいという場合は、スキャンしてデジタル化を検討しましょう。絵や記念品に価値がある場合は、専門の買取業者に査定を依頼したり、オークションに出品したりしてもよいでしょう。

年会費や月会費を支払っているサービス

次に、年会費や月会費を支払っているサービス(カード類、会員権、サブスクリプション、Webサービスなど)を整理します。まずは、自分が契約しているものを書きだし、利用頻度などで分類しましょう。利用頻度が少ないものは、思い切ってすべて解約しましょう。

デジタルデータ

デジタルデータとは、スマホやパソコンに保存しているファイルやデータのことです。デジタルデータは物理的なスペースを埋めることはないため、ついつい溜め込んでしまいがちですが、整理しておかないと、死後に家族が困ることがあります。不要な写真、動画、書類などはすべて削除しましょう。また、利用頻度が少ないSNSなど、アカウントがあるWebサービスも減らしておくことをおすすめします。

余裕があれば終活の活動もスタートさせよう

もし余裕があれば、以下のような取り組みをはじめてみましょう。

エンディングノートの執筆

エンディングノートとは、終活に関する取り組みや死後の希望などの情報をまとめたノートのことです。「葬儀・お墓・形見分け」の希望、「毎月の支払や保険・年金・株・個人信託」に関する情報、今後のライフプランややりたいことリスト、親族へのメッセージなどなど、終活の取り組み全体をまとめていきます。
生前整理で必ずやるべきことではありませんが、やることリストなどをまとめていくなら、一緒にエンディングノートも作ってしまってもよいかもしれません。エンディングノートの詳しい作り方は以下の記事でも紹介しているので、興味がある方はぜひご確認ください。

財産目録や遺言書の執筆

財産目録とは、遺言書や相続手続きの際に必要となる、被相続人(故人)の財産に関する詳細なリストです。「土地や建物などの不動産」「現金・預貯金・株式・債券・自動車・貴金属・骨董品などの動産」「借金やローンなどの負債」など、自身が保有するすべての財産をまとめます。
遺言書は、自分の死後に財産をどのように分配するか、またその他の意思を明確にするための法的文書のこと。相続争いなどの死後のトラブルを防ぐのに重要な書類です。これらは、まとめるのに手間や時間がかかる書類のため、なるべく早めに準備しておくのがおすすめです。
この他、終活の概要や進め方、注意点などは以下の記事で解説しています。生前整理だけでなく、終活についても知りたいという方は確認してみてください。

生前整理を行う際の注意点

生前整理は、自分の持ち物や財産を整理することで、自分の死後、家族への負担を軽減するための大切なプロセスです。以下のようなポイントに注意して、スムーズに進められるようにしましょう。

家族と共有・協力してもらいながら進める

生前整理を行うときは、家族と共有し、協力してもらうことが大切です。個人の物や財産に関わる整理であっても、整理の過程で家族とのコミュニケーションが必要になる場面が多々あります。捨てる前に家族の了解を得るなど、コミュニケーションをしっかり取り、トラブルにつながらないように注意しましょう。

まとめて行わずコツコツ進める

生前整理は一度に行わず、少しずつ進めることが大切です。一気に整理しようとすると、負担が大きくなり、途中で挫折してしまう可能性があります。ご紹介したように、やることをカテゴリーに分け、まずは書類からなど、順番にひとつひとつ片付けていくようにしましょう。また、事前に優先順位を付けておくのもおすすめです。

処分のし過ぎに注意する

不要な物を処分することが生前整理の目的ですが、処分のしすぎには注意が必要です。特に家族や親しい友人との思い出の品は、即座に処分せず、慎重に判断してください。再利用できるものは、譲渡や寄付、リサイクルなどを検討するのも大切です。また、急いで処分すると、後で後悔する可能性があります。もし迷ったら一旦保留にして、家族などにも相談してから判断してみてください。

困ったらプロに相談する

処分するものが多すぎる場合は、プロや専門家に相談することも大切です。自分たちだけでは、難しいと感じたときは、不用品回収業者や遺品整理業者などに相談してみてもよいでしょう。
また、価値が分からない骨董品や美術品、着物などは買取業者に査定を依頼するのがおすすめ。財産や遺産に関することは、弁護士、税理士などに相談しましょう。この他、生前整理や終活の専門家についてもっと知りたいという方は、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

生前整理は、自分の死後、家族の遺品整理の負担を軽減するのに役立つ取り組みです。また、生前整理を進めることで、自宅のスペースに余裕が生まれ、生活の質が向上するといったメリットもあります。生前整理を検討しているという方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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