地元スタッフに聞いた! イマドキ大阪のお葬式事情。
お葬式コラム
地元スタッフに聞いた! イマドキ三重のお葬式事情。
各地域でお葬式をサポートしている「家族のお葬式」スタッフに、“地元のお葬式事情”を聞いてみました。今回のコラムで取り上げたの「三重県」。伊勢神宮があることから神道の影響も垣間見られ、エリアごとでも受け継がれてきた風習の違いがある三重県のイマドキのお葬式を探ってみましょう。
火葬のタイミングなど、三重県のお葬式は地域でしきたりが異なります。
北勢、伊賀、中勢、伊勢志摩、東紀州と5つのエリアに分かれている三重県。培われてきたお葬式の文化にも、それぞれ特徴があるようです。
「前火葬」と「後火葬」の地域がある
三重県では、火葬をお葬式の前に行う「前火葬」と、葬儀・告別式後に火葬する「後火葬」の地域が混在しています。場所によっては、同じ地区内でも前火葬をするところと、後火葬のところがあるそう。さらには、前火葬でも通夜式前に火葬するケースと、葬儀前に行うケースがあるのだとか。葬儀前に火葬する場合は、午前中に出棺して荼毘にふし、ご遺骨を祭壇に安置して午後から葬儀・告別式を執り行います。
とはいえ、こちらはあくまで地域の風習。近年はご家族と菩提寺で相談し、どちらを選ぶのか決めることも多いようです。
四日市では通夜ぶるまいがなく助六寿司を配る
四日市市をはじめとした北勢エリアでは、通夜式後に親族や弔問客たちで会食する、いわゆる「通夜ぶるまい」をしないことが多いそう。そのかわり、親族やお手伝いいただいた方には助六寿司の折り詰めを配り、持ち帰ってもらいます。
また、四日市の葬儀では、おつとめが終了して立ち上がった導師さまに向かって喪主などが一礼する「野礼(のれい)」という作法があり、同じく北勢に位置する亀山地域では木や紙で手作りした鍬(くわ)をお供えするしきたりが宗派によってはあるそうです。
松阪では「非時(ひじ)」を配る
松阪地区では、お葬式で「非時(ひじ)」といわれる封筒型の袋を参列者に配ります。この非時には故人が亡くなったことを知らせる訃報通知の役割があり、お葬式前に親族や隣組の方々に配布。ところによっては、通夜式や葬儀・告別式で香典をいただいた参列者に渡す場合もあるようで、非時袋にはお車代やお食事代として現金を同封します。
また、非時の風習は他のエリアでもみられるのですが、少し意味合いが異なるようです。伊勢では返礼品を「代非時(だいひじ)」や「非時」として通夜式の会場で渡したりし、他の地域でも葬儀・告別式に参列いただいた方に食事をふるまうことを「非時」と呼んだりするそうです。同じ「非時」でも地域によって在り方が変化しているので、注意が必要です。
伊勢志摩では「涙てぬぐい」の風習も残る
伊勢市など南勢エリアでは、「涙てぬぐい」と呼ばれる風習が残っています。これは、てぬぐいの大きさにカットした白・赤・黄色などのさらし木綿を、“子どもには白”“孫には赤”というように色分けして近親者に配ること。
また、伊勢には通夜式で渡す香典袋に、「御通夜見舞」と書く習慣もあります。この表書きには“明日の葬儀・告別式にも参列する”という意味があり、通夜式と葬儀・告別式どちらにも参列する方は、通夜式の香典袋に「御通夜見舞」、葬儀・告別式には「御霊前」や「御香典」などと書き入れます。
「涙汁」を飲む!?三重県に伝わる独特なお葬式文化をご紹介。
また、三重県は他の都道府県にみられない、お葬式にまつわる独特な文化もあるようです。
辛い「涙汁」を飲む
三重県では、出棺前などに故人との最後の食事を囲む「出立ちの膳」をとることがあり、簡単な精進料理を食べます。また、地域によっては、火葬場の控室などで精進弁当を食べて精進落しをすることも。
桑名市などではこれら精進料理とともに、かつおだしにコショウを加えた胡椒汁も飲みます。これは「涙汁」とも呼ばれ、“コショウの辛さで哀悼の涙を流しやすくする”“辛いものをカラダに入れてお葬式の疲れをとる”などの意味があるといわれています。同様の風習は桑名に近い愛知県の西部にも伝わっているようです。
「組」の人が手伝いにくる
地域コミュニティが活性化されている三重県では、近隣住民で組織される「組」があり、同じ組の人が亡くなると、組の人が総出でお葬式を手伝いにきてくれます。ところによっては組のお葬式サポートをなにより大切に考え、仕事を休んでまでお葬式を取り仕切ってくれることもあるのだとか。
サポートを受けるご家族も近所の方々との関係をとても大事にし、初七日法要の席に招く場合もあります。さらに、亀山市の一部の地域では初七日法要後に会食するとき、町内の方から先に箸をつけてもらい、親族はそれまで待つというしきたりがあるそうです。
「夜伽見舞い(よとぎみまい)」を持参する
三重県の通夜式に参列するときはお香典だけでなく、缶詰やお菓子、お酒なども持参します。この風習は「夜伽見舞い(よとぎみまい)」と呼ばれ、夜を徹して故人の側で語り合う「夜伽」をするご家族への差し入れの意味をもちます。ご家族はこれをいただきながら故人との最期の時間を過ごすのです。地域によっては一般参列者もいっしょに食べたり飲んだりしながら夜伽をし、夜伽見舞いが残った場合は参列者に配ったりします。
こちらで紹介しているのは三重県のお葬式で行われている一部の風習です。エリアごとに特徴がある三重県ではお葬式のしきたりも各地で異なることが多く、さらには“昔ながらの作法が時代に合せて変わっている”というケースもあります。とまどわないためにも、菩提寺や年長の親族などへの確認をおすすめします。周囲に相談する人がいないときは葬儀社の担当者に聞けば、適切なアドバイスがもらえます。
お葬式形式は伝統を大切にしつつも「家族葬」が増えている。
お葬式スタイルはいろいろありますが、三重県ではどのようなものが選ばれているのでしょうか。地元スタッフの声を聞いてみると、「昔ながらの習慣を重んじている」「寺院・地域の習慣により“こうでなければならない”という考えが根強く残っているところがある」など地域の伝統にそくしたお葬式が、現在でも大切にされていることがうかがえます。
しかし、近年は全国的に「家族葬」が増加中。三重県のスタッフからも、「家族葬が増えてきている」「家族葬が中心になってきている」「家族葬にしたいという相談をよく受ける」といった意見が寄せられ、この地でも家族葬を選択する方が着実に増えているようです。
また、参列者数は、家族葬であれば「20名〜30名」程度が平均的だそう。一般葬では「30名〜100名」と幅があり、お葬式の規模によってかなり変わってくるとのことです。
お香典は一般的な金額が主流。「村香典」の風習がある地域も。
三重県では参列者のマナーに地域性はとくになく、お香典も一般参列者であれば「3,000円〜10,000円」内の金額を設定し、なかでも「5,000円」が多いとのこと。
親族の場合は「10,000円〜」が相場なのですが、「100,000円」という高額をお香典にする方もいらっしゃるそうです。
名張市では「村香典」を供える
伊賀エリアにある名張市など一部の地域では、近隣に住む方々が一定のお金を出し合って霊前に供える「村香典」という習慣があります。金額は1,000円〜3,000円程度で、故人と縁がある・ないに関わらず、一律に集められます。昔から人々の結びつきが強く、何かあったら互いを助け合うという相互扶助の精神が育まれたことでこの制度が生まれたようです。
三重県は火葬施設が整っています。
三重県内は各エリアに火葬のできる市営施設がしっかり整っています。
北勢エリアでは、四日市市に北大谷斎場、鈴鹿市に鈴鹿市斎苑、亀山市には亀山市斎場など。中勢エリアでは津市斎場「いつくしみの杜」や松阪市の篠田山斎場、伊勢志摩エリアには志摩市斎場 悠久苑や伊勢広域環境組合斎場、伊賀エリアでは伊賀市斎苑や名張市斎苑、東紀州エリアには熊野市火葬場や尾鷲市斎場などがあり、各地に市営の斎場が設置されています。
また、ほとんどの施設に待合室などの設備があり、火葬を待っている間などもゆっくり過ごせるようです。
三重県には地域の健康を支える病院もそろっています。
三重県は地域医療の充実を図っており、設備の整った総合病院から地域に密着した地元のお医者さんまで、さまざまなニーズに応えられる医療機関が各エリアにそろっています。
例えば、北勢エリアである四日市市には市立四日市病院、三重県立総合医療センター、みたき総合病院、鈴鹿市には鈴鹿中央総合病院、鈴鹿回生病院、村瀬病院、亀山市であれば亀山市立医療センターなどが整っています。
中勢エリアなら三重中央医療センターや松阪中央総合病院、伊勢志摩エリアには志摩市民病院や市立伊勢総合病院、伊賀エリアでは伊賀市立上野総合市民病院や名張市立病院、東紀州エリアでは熊野病院や尾鷲総合病院など…。このほかにもたくさんの病院があり、三重で暮らす方々の健康を支えています。
また、三重県の各医療機関でご逝去された場合、葬儀社からのスムーズなお迎えが可能です。「家族のお葬式」でも速やかに対応いたしますので、安心しておまかせください。
三重県のスタッフからメッセージ
家族葬でも一般葬でも、お見送りする方は“大切なおひとり”。ご満足いただけるお見送りができるよう心を込めてお手伝いします。また、お葬式の規模と費用は必ず比例するわけではありません。どのようなお葬式にしたいか、まずはご相談ください。三重県の風習・宗教的作法を知り尽くしているスペシャリストとして、的確なアドバイスと費用以上のサービスを提供いたします。