地元スタッフに聞いた! イマドキ北海道のお葬式事情。
お葬式コラム
地元スタッフに聞いた! イマドキ宮城のお葬式事情。
全国でお葬式をサポートしている「家族のお葬式」スタッフに、“地元のお葬式事情”を聞く地域別コラム。今回ピックアップしたのは「宮城県」です。仙台を中心に多様な個性をもったエリアで構成される宮城県は、弔事の風習にも独特な特徴があります。調査からみえてきた、イマドキ宮城のお葬式をご紹介しましょう。
「前火葬」をするなど、宮城県には地域に伝わるお葬式のしきたりがあります。
戦国武将・伊達政宗公が仙台藩を治めていたことでも有名な宮城県は、歴史深い土地。そのためか、地域に伝わる文化を大切にし、お葬式においても昔ながらのしきたりを守る傾向があるようです。
「前火葬」の地域が多い
宮城県では、仙台都市部を中心に葬儀前に火葬する「前火葬」の形式をとっています。前火葬は東北地方でよくみられる風習なのですが、これには土地の特性が関係しているそう。東北地方は冬になると、かなり雪深くなります。さらに、昔は交通機関が発達していなかったため、急な訃報で親族が集まるのにも時間がかかりました。その間にご遺体が傷んでしまうこともあるため、先に火葬してお骨にし、「骨葬」で故人を見送るようになったといわれています。
現代の前火葬において、火葬のタイミングは、通夜式後、または葬儀前が一般的。葬儀前の場合は午前中に出棺して荼毘にふし、午後から骨葬を行います。
前火葬が多いとはいえ、宮城県でも葬儀・告別式のあとに出棺して火葬する「後火葬」でお葬式をする地域もあります。
菩提寺と相談して日程を決める
宮城県は寺院と住民のつながりが強い地域だといわれており、お葬式についても寺院とともに行う大切な儀式だとする傾向にあります。そのためか、お葬式の日程は菩提寺など寺院の都合を優先し、また当日流れなども菩提寺を主体として考えて構成していきます。したがって、お葬式を仕切る喪主は、葬儀社とともに菩提寺ともしっかり相談しながら葬式全般のことを決めていく必要があります。
案内状がないと「通夜ぶるまい」に参加できない?
通常、通夜式には誰でも参列できます。しかし、宮城県の一部地域では近親者のみで通夜式を行うことがあるようです。この場合、一般の方は葬儀・告別式のみに参列するか、都合により通夜式に足を運んだときは僧侶の読経前に焼香のみをし、そのまま帰ります。
また、通夜式後に会食することを「通夜ぶるまい」と呼びますが、宮城県には通夜ぶるまいに参加するための案内状をだすエリアがあります。案内状をもらっていない一般参列者は通夜式が終わると帰り、もっている方は会場で受付をして席にきます。受付の際は、「お食事代」や「お悔やみ」という名目で1,000円〜5,000円程度を渡すため、参列者はお香典とは別に用意しておきます。
「通夜ぶるまい」で“生もの”を好まない?
宮城県の一部地域では、通夜ぶるまいで“生もの”を食べないのだとか。お葬式が終わるまで口にするものは精進料理とし、肉や魚はもちろん、かつおぶし、納豆、にんにくなどニオイの強いものも好まず、お寿司であれば助六寿司にします。さらに、“色物を避ける”という意味で、にんじんを加えた料理をださないこともあるそう。とはいえ、近年は考え方が柔軟になり、「半精進」として“肉・魚は火を通し、頭を落としていれば食べてもいい”とされています。
通夜ぶるまいでは、「白ぶかし」と呼ばれるもち米と白ささげ豆を混ぜ合わせて蒸したおこわのような料理をふるまうこともあるそうです。
このほかにも、「天冠(てんかん)」や「宝冠(ほうかん)」と呼ばれる三角の布を額につけて出棺する、近隣で組織する「講」の人々がお葬式に手伝いにきてくれるなど、宮城には地域ごとに多種多様な習わしがあるようです。
葬儀後のことでも、宮城県には独特な風習が伝わっています。
お葬式が終わると法要や納骨などの儀式を行っていきます。宮城県では、これらお葬式後のことにも地域らしさがあるようです。
「百箇日法要」までを繰り上げて行う
亡くなった人のご冥福を祈るため、残された人は追善法要をします。本来は7日ごとに親族が集まって行うのですが、近年はお葬式当日に初七日法要をするケースがほとんど。法要の日にちを繰り上げるため、「繰り上げ法要(くりあげほうよう)」と呼ばれます。
宮城県ではこれを100日まで繰り上げ、「百箇日法要」までを行うことが多くなっています。由来は定かではありませんが、雪や交通の便の悪さから昔は親族がすぐに集まれなかったことも理由のひとつかもしれません。
ちなみに、繰り上げ法要のなかでも四十九日や百箇日まで繰り上げて行う法要を「取越法要(とりこしほうよう)」といいます。
お墓に草履を供える?
宮城県では、忌日である三十九日もしくは四十九日のお墓参りで雪駄や草履を供えることがあるそう。
仏教では人は亡くなると来世に向かって旅をすると考えられており、その旅を無事にできるようご家族は故人に旅の装束を身につけさせて送りだします。しかし、長く旅をしている装束はくたびれ、とくに険しい道を歩いている足元は傷みやすくなります。そのため、 “そろそろ擦り切れているだろうから履き替えてください”と新しい草履や雪駄をご家族が準備してあげるのです。
また、“お墓に供えた草履を親族以外に履かせると、その方の足腰が強くなる”といわれている地域もあるのだとか。
これらは、宮城県のお葬式で行われていたり、伝えられたりしているものの一部。それぞれの地域には、大小さまざまな風習がまだまだあります。お葬式を執り行うときは、準備の段階で菩提寺や年長の親族などに相談するといいでしょう。周りに話を聞ける人がいないときは、葬儀社の担当者が相談にのってくれます。
お葬式スタイルでは、近年は都市部を中心に「家族葬」が広がっている。
近年はお葬式への考え方が多様化し、簡素化も進んでいます。宮城県では、どのような傾向があるのでしょうか?
地元スタッフからは「伝統を重んじている方が多い」「儀式をしっかり執り行うことが根強く残っている」などの声が聞かれ、宮城県が伝統を尊重したお葬式を執り行っている土地であることがわかります。
その一方で、「昔ながらの儀式として重んじている方が多いが、時代の変化とともに家族葬を希望される方が年々増加している」「仙台市内では家族葬の傾向が強くなっている」「都市部は家族葬が中心。そこから、郊外にも伝播しつつある」といった意見も寄せられ、仙台エリアなど都市部を中心に「家族葬」が広がっていることも見受けられます。
参列者数では、家族葬など親族が中心の式では「30名〜50名」くらいが平均的。一般葬になると「80名〜120名」程度に人数が膨れ上がり、友人・知人や近隣の人たちが多く集まるお葬式が開かれているようです。
参列者のマナーに地域性はなく、お香典の金額も一般的。
参列者のマナーにおいては、宮城らしい地域性はないようです。お香典も一般参列者であれば「3,000円〜5,000円」が相場で、「5,000円」が一般的。親族や会社の上司などの場合は「10,000円〜」で、関係性によって金額は変化するそう。
また、冠婚葬祭を簡素化する新生活運動の名残から、「お香典の金額は1,000円」と決めている町内もあるのだとか。
返礼品は「即日返し」
宮城県では、通夜式や葬儀・告別式に参列いただいた方へのお礼や、お香典に対する香典返しは「即日返し」が一般的。お返しのタイミングは受付で記帳されたときで、返礼品と会葬礼状、お清めの塩などをセットにしてお渡しします。即日返しとはいえ、想定よりも高額なお香典をいただいた方には、後日、改めてお返しをすることが多いようです。
また、宮城県で香典返しに選ばれる品物は、ほとんどが「お茶」だといわれています。
宮城県は火葬施設も設置されています。
宮城県には火葬をできる公営の斎場があります。
仙台市には葛岡斎場、塩竈市には塩竈斎苑、大崎市には大崎広域古川斎場、名取市であれば名取市斎場、気仙沼市では気仙沼斎場などなど…。もちろん、他のエリアにも火葬施設はしっかり設備されています。
また、仙台市の葛岡斎場には待合室のほかにレストランがあり、火葬から収骨までの時間に軽食をとられる方もいらっしゃるようです。
宮城県には地域の健康を支える病院もそろっています。
地域に根ざした医療提供体制の充実を図っている宮城県には、各分野に精通した医療機関がそろっています。
例えば、仙台市には仙台市立病院、国立病院機構 仙台医療センター、東北大学病院、JR仙台病院、西仙台病院、広瀬病院、光ヶ丘スペルマン病院、仙台中央病院、東北薬科大学病院、東北医科薬科大学 若林病院、仙台徳洲会病院、松田病院、岩切病院、仙台東脳神経外科病院、仙台循環器病センター、エバーグリーン病院、仙台赤十字病院、国立病院機構 仙台西多賀病院、河原町病院、仙台富沢病院、杜都千愛病院、仙台・富田病院、仙台東脳神経外科病院など。岩沼市では小島病院や総合南東北病院、名取市には宮城県立がんセンターや名取熊野堂病院、塩竈市には塩竈市立病院、坂総合病院、赤石病院、多賀城市には仙塩総合病院・仙塩利府病院、宮城郡利府町には宮城利府掖済会病院などがあります。
また、宮城県の医療機関でご逝去された場合は、葬儀社からのスムーズなお迎えが可能です。「家族のお葬式」でも速やかに対応いたしますので、安心しておまかせください。
宮城県のスタッフからメッセージ
お葬式は人生で何度も経験することではありません。ご不明なところや心配ごとがありましたら、お気軽にご相談ください。地域に密着する葬儀社として心を込めて対応し、お客さまのご要望にお応えできるよう努力いたします。