最近、注目されているお葬式の生前予約とは?
お葬式コラム
知って賢く選ぼう! 家族葬のメリット・デメリット。
近年のお葬式では「家族葬」のスタイルをとられる方が多くなり、注目度も高まっています。小規模な式でアットホームに故人を送れる魅力が支持されている家族葬ですが、すべての方に適しているわけではありません。家族葬のメリットやデメリットを理解したうえで、賢くお選びください。
家族葬とは、どんなお葬式? 密葬や一般葬とどう違うの?
実のところ「家族葬」には、これといった定義がありません。大体の場合は、ご家族をメインに親族や親しい友人などが出席して執り行うお葬式スタイルをさし、参列者が30人までの小規模なものがほとんど。家族葬という呼び名ですが、ご家族以外の方が参列しても問題ありません。小規模とはいえ1日目に通夜式を行って翌日に葬儀・告別式を実施するという流れは一般的なお葬式と変わらず、ほとんどの場合、僧侶や祭主をお呼びして一般的なお葬式と同様の宗教儀礼を行いますが、最近では宗教者を呼ばない無宗教葬、自由葬を選択される方も増えております。
また、親しい間柄の人たちだけでお葬式をする葬儀形態には「密葬」もあります。家族葬との違いは、“後日に本葬を行うかどうか”。芸能人や地位の在る方などのお葬式でよく見られ、親族やご縁が深かった方々だけで密葬したのち社葬やお別れの会などの形式をとって広く大勢の方を招く本葬を開催します。
対して「一般葬」は、親しい間柄だけでなく、遠い親戚や知人、会社関係の方々など広くお呼びする昔ながらの葬儀スタイルです。参列者の数は30人〜100人程度が目安で、時には数百名規模になることもあります。しきたりに則った形式で通夜式から葬儀・告別式を2日間にわたって行い、故人やご家族と縁のある多くの方々が故人とお別れするために参列します。ここ最近は家族葬が増えてきたとはいえ、お葬式といえばこちらの形態がまだまだ一般的です。
家族葬はなぜ選ばれているの? 背景とそのメリット。
都心部を中心に年々増加傾向にあるといわれている家族葬。このように家族葬を選択するご家族が多くなっている背景には、現代の生活スタイルにマッチしていることが挙げられます。
現代の生活状況は昔のようにご近所と深いおつきあいをする機会が減っており、親類縁者とも広く関わることが希薄になっています。そのため、大規模なお葬式をする必要がなくなってきているのです。また、時代とともにお葬式に対する価値観も変化。最近は大勢の人で華やかに故人を送るより、親しい間柄の人たちだけで落ち着いて故人とお別れすることを大切に想う傾向が高まっており、それを実現できる家族葬が選ばれているようです。
では、多くの人に選ばれている家族葬のメリットをご紹介しましょう。
故人とゆっくりお別れできる
家族葬はご家族や親族、縁の深かった方々で執り行う小規模なお葬式です。気心がしれている方ばかりなので気持ちが落ち着きますし、たくさんの参列者の対応に追われることもありません。大切な故人と過ごす最期の時間をたっぷりとれ、ゆっくりお別れできます。
親しい人と気持ちを共有でき、感謝も伝えられる
家族葬では時間の余裕が比較的あるため、親しい方々とじっくりお話できます。故人の思い出話に花を咲かせたり、悲しい気持ちを共有したりできればそれぞれの心が癒やされることもあるでしょう。また、故人がお世話になった方に対しても、ご家族から生前のお礼をしっかり伝えられます。
自分たちらしいお葬式ができる
親しい方と小規模で開く家族葬であれば、外からの目を気にする必要がありません。自由度の高いお葬式が行え、ご家族が望む送り方や故人が生前に希望していた演出なども採用しやすくなります。また、喪主が選択に迷ったときも、少人数で行う家族葬なら容易に親族間の同意を得られます。
準備の手間や時間を減らせる
一般葬では、参列者に対応するための準備が必要です。人数を予想して料理や返礼品を用意し、当日には数多くの人をもてなさなくてはいけません。小規模な家族葬であれば参列者の数はあらかじめ把握でき、手配にかかる手間や時間を軽減。さらに、返礼品を設けないなど形式にとらわれない選択も可能です。
費用を抑えられる
規模が小さくなるに従って、お葬式の費用が抑えられるのが一般的。また、想定費用の範囲内で“お花は華やかに飾る”など、喪主や親族の好みで費用の配分を変更することもしやすくなります。
とはいえ、参列者の少ない家族葬では集まる香典の額が低くなったり、香典を辞退したりする場合もあります。お葬式費用を安くできても、自己負担は増加してしまうことがあるのを踏まえておいてください。
家族葬にもデメリットはあります。
メリットが多い家族葬にも、デメリットはあります。こちらも認識しておきましょう。
社会的なお別れができない
お葬式には「3つのお別れ」があるといわれています。1つ目は“家族との別れ”、2つ目は“社会との別れ”、3つ目は“現世との別れ”です。
家族葬でも1つ目と3つ目のお別れはできるのですが、2つ目の社会的な別れがむずかしくなります。仕事の関係者や趣味でつながった方々、ご近所の方、学生時代の友人など、故人がこれまでの人生で出会い、お世話になった人はたくさんいます。そのような方々と故人がお別れできず、また生前のお礼もご家族から直に伝えられません。社会的なお別れができないのは、家族葬のデメリットのひとつです。
お葬式後の弔問客が増える
お葬式で社会的なお別れができていないため、故人と縁のあった方が「お線香をあげたい」とご自宅を訪ねてくるケースが増えるようです。一般葬であればお葬式の場で一度に対応できますが、自宅への弔問はバラバラです。その都度に対応するご家族にとっては、精神的にも肉体的にも大きな負担。交友関係が広い故人であれば、一般葬を考えてもいいかもしれません。
トラブルにつながるケースもある
最初に家族葬に明確な定義がないと書きましたが、同様に招く範囲にも決まりごとがありません。“故人と親しかった人”という基準も曖昧なので、呼ばれなかった人が不満をもってしまい、そこからトラブルにつながることもあるようです。また、伝統やしきたりを重んじる親族から、家族葬というスタイルに理解を得られないケースもみられます。招かない親族や友人、知人にも訃報とともに家族葬で故人を送る意向を知らせ、また出席する親族にも喪主の考えを伝えて理解いただいておくとトラブル回避につながります。
にぎやかに故人を送りだせない
家族葬は少人数でアットホームに故人とお別れできるのが大きな魅力ですが、反面、大勢の人が集まるにぎやかさはありません。社交的で華やかな場を好んでいた故人であれば、たくさんの方を招いて盛大にお見送りできる一般葬のスタイルをとってもいいのではないでしょうか。
家族葬と一般葬。どんな人に適しているの?
家族葬と一般葬にはそれぞれに特徴があり、適している方も異なります。ご家族ごとに事情があるためひとくくりにはできませんが、一般的におすすめできるタイプをご紹介しましょう。
家族葬がおすすめの方
- 故人との最期の時間をゆっくり過ごしたい
- 親しい方々とアットホームなお葬式をしたい
- 小規模だけど一般的なお葬式を行いたい
- 自分たちらしいお葬式を叶えたい
- 故人と縁のある方がそれほど多くない
一般葬がおすすめの方
- 故人の交友関係が広く、縁のある方が多い
- 故人とご縁のある方にお葬式でお礼を伝えたい
- 大勢の人で華やかに故人を送りだしたい
- 伝統ある形式で故人を旅立たせてあげたい
家族葬の注意点。対応のルールを決めておきましょう!
家族葬には、いくつか注意したいポイントがあります。トラブルを避けてスムーズに終えるためにも親族と相談し、ルールを決めておくと安心です。
どの範囲まで訃報を知らせるのか
基本的にお葬式への案内は、お招きする方のみにすれば問題ありません。とはいえ、小規模で行う家族葬はお呼びする範囲が狭く、あとから知った方が「どうして知らせてくれなかったのか」と不満をもってしまう恐れもあります。親族ならびに故人が生前に親しくしていた方々にはお葬式の前に知らせ、お招きしない方には“近親者のみで行う家族葬”であることも伝えて理解を得ておきます。スムーズに連絡するためにも親族と相談し、家族葬に招く範囲と訃報を知らせる範囲を決めておくといいでしょう。
香典や供物、供花を受け取るのか
参列者からの香典や供物だけでなく、参列されない方から「香典だけでも送りたい」と申し出を受けるケースがあります。親族で話し合って“受けとる・受けとらない”のルールを決め、対応を統一。辞退する場合は訃報とともに意向を伝え、それでも渡したいという申し出があったときはお気持ちだけを受けとって丁寧にお断りしましょう。また、辞退の意向が伝わらずに香典や供物が届いてしまったらありがたく受け取り、後日お礼状とともに返礼品を送ります。
お呼びしていない人が来られたら?
家族葬を広く告知できていないと、訃報を耳にしたご近所の方や会社関係の人が会場に来られてしまうことがあります。この場合の対応も事前に決めておきましょう。
基本として、家族葬にお呼びしていない方が来られたときは、近親者のみで執り行っている意向を伝え、会式前にお焼香をして頂くか、お線香をあげて頂くなどの対応をしてお帰りいただいても問題ありません。とはいえ追い返してしまうのに気が引ける場合は喪主やご家族の判断で参列を認めてもいいでしょう。とはいえ、ひとりを許可すると他の方も同様の対応を求められます。十分に考慮してご判断ください。
家族葬は、取り扱いに慣れた葬儀社がおすすめ!
家族葬は年々増加してきているとはいえ通常のお葬式スタイルは一般葬となり、葬儀社の取り扱いもこちらが主流です。そのため、自由度の高い家族葬で故人の意向やご家族の想いをカタチにするためには、柔軟に対応できる葬儀社にお願いすることが大切。
納得できる家族葬を行うためには、家族葬を多く手掛けている葬儀社を選びましょう。専門のスタッフからきめ細やかなサポートを受けられ、思いどおりの家族葬を実現するための相談にものってくれます。気になる葬儀社があれば、事前に話を聞きにいくのもおすすめ。事前相談をしたからといって必ずその葬儀社に頼む必要はありませんので、気軽にお問い合わせください。