お葬式コラム

40代から終活をはじめるメリットとは?進め方やポイント、流れを解説!

40代になり、自分の人生の締めくくりについて意識しはじめたという方もいるのではないでしょうか?
中には終活について興味が増してきたという方もいるかもしれません。そこで今回は、40代から終活をはじめるメリットの他、進め方やポイントについてご紹介します。

終活とは?40代で終活を意識するきっかけは?

まずは、終活とはどのような取り組みなのか?どのようなきっかけではじめる方が多いのかなどについてご紹介します。

終活の基本的な考え方

終活の基本的な考え方は、以下の3つの要素にまとめることができます。それぞれがどのような意味を持つのかについてご紹介します。

人生の締めくくりを意識することで残りの人生の豊かに

「人生の締めくくりを意識して、残りの人生を有意義に過ごす方法を考える」これが終活の一番の目的です。もしかすると、終活にネガティブなイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、死は誰にでも訪れる避けられないものです。人生の最期を意識して、そこから逆算してライフプランを考えることで、最期の最期まで後悔しない人生を過ごすことができます。

後悔しない選択のためにこれまでとこれからを整理する

死を間近にして「もっと家族のために時間を使うべきだった」「仕事よりも自分のやりたいことを優先するべきだった」など、後悔ばかりが頭をよぎったという話を聞いたことはありませんか?終活に取り組み、人生の締めくくりを意識してライフプランを考えることで、「後悔しないために今やるべきこと」を明確にすることができます。

自分や家族のために身辺整理を行う

さまざまな終活の取り組みの中でも、特に重要なのが身辺整理です。自分が保有する財産・物品・人間関係といったものを把握し、整理整頓することで、自分の人生に必要なものを見極められるようになる他、死後の家族の負担(もろもろの手続きや相続など)を減らすこともできます。

40代で終活を考え始めるきっかけは?

終活という言葉が一般的になり、30~40代の若年層から取り組みをスタートする方が増えています。では、40代の方はどのようなきっかけで終活を意識しはじめるのでしょうか?理由はさまざまですが、以下のような日常生活の変化がきっかけになっているケースが多いようです。

  • 家族や友人の死
  • 親の介護や入院
  • 自身の病気やケガ
  • 未婚・子どもがいない
  • 30代は、結婚・出産などのライフステージの変化がきっかけとなるケースが多いのに対して、40代では自分や近しい人の病気・ケガ、または親の介護がきっかけになるケースが多いです。また、未婚・子どもがいないなど、ライフステージの変化がないことがきっかけになるケースもあるようです。

40代から終活をするメリットは?

次に40代から終活をするメリットについてご紹介します。代表的なのは以下の4つです。

判断能力が十分なうちに老後に備えられる

40代から終活をはじめる一番のメリットは、判断能力が十分なうちに老後に備えられるという点です。理想の老後の暮らしを思い浮かべ、そこから逆算して今やるべきことを明確にすることで、後悔しない人生を送ることができます。

気力・体力があるうちに断捨離を進められる

終活の中でも特に大変なのが、所有する物品の断捨離です。60~70代になるまで断捨離を行わずに人生を過ごすと、物の量が増えすぎてしまい、仕分け・廃棄の負担がどんどん増えていってしまいます。また、たくさんの物を残したまま亡くなってしまうと、遺品整理を残された家族が行うことに。家族の負担を減らす意味でも、なるべく早く断捨離に取り組んだ方がよいでしょう。

残りの人生を前向きにとらえるきっかけになる

終活を40代から行うことで、「まだまだ残された時間がたくさんある……」ということに気づき、残りの人生を前向きに捉えられるようになります。40代は加齢による衰えを感じはじめる年代でもあり、体力の衰えが精神的な落ち込みにつながることもあります。そんなときに終活に取り組むことで、まだまだやるべきことがあることに気づき、人生を前向きに捉えられるようになります。

親の終活をサポートできる

40代で終活を行うメリットとして、親の終活をサポートできるという点があります。「終活は決してネガティブなことではない」「自分もサポートできる」といった内容を伝えることで、両親が終活に取り組むきっかけになる他、親の死後の手続きや遺品整理をスムーズに行えるようになります。終活に取り組む際には、ぜひ両親や家族を巻き込み、みんなで手分けして行いましょう。

40代で終活をはじめる前に!意識しておきたいポイント

終活に具体的に取り組む前に、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

体力・気力を必要とすること、時間がかかることを優先に

「エンディングノートの作成・財産目録や遺言書の作成・物品整理」など、終活で取り組む作業にはさまざまな種類があります。40代という若い年代からはじめるのであれば、まずは体力・気力を必要とする作業からスタートさせましょう。先に手間のかかる作業を終わらせておくことで、後々の終活の作業が楽になります。具体的には、エンディングノートの作成・物品整理などからはじめるのがおすすめです。

自分1人ではなく、家族とも情報共有する

終活には、葬儀やお墓の準備、相続といった、死後の手続きも含まれるため、自分1人だけで把握していてもあまり意味がありません。物品整理などは家族と手分けして行い、その他の終活で取り組んだ内容は必ず家族に共有するようにしましょう。

家族の考えや気持ちを踏まえてプランを考える

エンディングノートにライフプランややりたいことをまとめるときは、自分の気持ちだけでなく家族の気持ちや考えも盛り込みましょう。自分の気持ちを優先させすぎてしまうと、後々家族との間で溝が生まれてしまう可能性があります。「将来的には○○に住みたいけどどう思う?」「○○歳には仕事をリタイアして○○をはじめたい」など、適宜家族に情報を共有し、合意を得られるように進めてみてください。

短期間でやりきらない。プランの見直しは繰り返し行う

終活は、何度も何度も見返しながら、適宜修正を繰り返す終わりのないものです。短期間でやりきってしまい、それを守ることに縛られてしまうと、かえって人生が窮屈になってしまう可能性があります。定期的に計画を見直してみたり、増えたものや財産を整理しなおしたり、プランの見直しを繰り返し行いましょう。

40代からの終活でやるべき6つのことを解説!

ではここから、40代からの終活でやるべきことを具体的にご紹介します。以下の4つをメインに終活を進めてみてください。

1. エンディングノートを準備する

【エンディングノートとは?】

エンディングノートとは、「葬儀・お墓・形見分け」の希望の他、親族への個別のメッセージなどをまとめたノートのことです。また「毎月の支払や保険・年金・株・個人信託」に関する情報など、必要な情報をまとめて記載するケースもあります。
ただ、書くべき内容や形式に決まった形があるわけではないので、「終活で取りまとめた内容を書き留めるもの」といったイメージを持っておけばよいでしょう。なお、エンディングノートに記載する内容の例としては、以下を参考にしてみてください。
【例】

  • 基本情報:氏名・生年月日・現住所・本籍地・連絡先など
  • 友人の連絡先:葬儀に来て欲しい人の連絡先など
  • デジタルデータのID・パスワード:パソコン・スマートフォン・Webサービスのログイン情報
  • 医療介護で希望すること:重とくな状態になった場合の治療方針や介護に関する希望
  • 葬儀やお墓の希望:お葬式・お墓の希望、形見分けの希望、遺言書についての説明など
  • お金に関わるもの:保険・年金・株・個人信託などの情報
  • 親族へのその他メッセージ
  • 終活の優先順位の整理

【エンディングノートの保管場所は家族に伝えておこう】

エンディングノートの保管場所を家族に伝えていないと、死後にノートを見つけてもらえない可能性があります。エンディングノートの存在や保管場所は事前に家族に伝えておき、万が一の事態になった際でも、すぐに家族が見つけられるようにしておきましょう。

2. 身辺整理(断捨離・デジタル終活)

身辺整理には物品の断捨離やデジタル終活などが含まれます。それぞれの目的ややり方などについてご紹介します。

残しておくものと不用品の分類

まずは、残しておくものと不用品を分類しましょう。自身の持ち物を把握し、そこから必要なものとそうでないものに仕分けしていきます。不要なものは、一般ゴミで捨てられるもの、粗大ゴミとして申し込むもの、フリマアプリなどで売りに出すものなどに分けて処分していきます。引っ越しなどのきっかけがあれば、そのタイミングで行うのがよいでしょう。また、所持品は生活していると自然と増えていくものなので、物を溜め込まないように意識する他、5年や10年などの周期で断捨離を行うようにしましょう。

デジタル終活を行う

デジタル終活とは、簡単にいうとパソコンやスマートフォンなどのデータを整理整頓することです。パソコンやスマートフォンに保存しているファイルや写真・動画データの他、SNS・サブスクリプション・ネットショップなどのアカウントもデジタル終活の対象になります。これらの大量のデータを仕分けし、不要なファイルやデータ、アカウントは削除しましょう。また、エンディングノートなどにスマートフォン・パソコンのログインIDとパス、死後のデータの取り扱いや削除方法などについて記載しておくとよいでしょう。死後のアカウント削除などの手続きは家族が行うことになるので、メモを残しておけば負担を最小限に抑えることができます。

3. 財産目録を準備する

財産目録とは、現金・預金・土地・建物・自動車などの相続財産を一覧でまとめたものです。財産の概要や準備方法について簡単にご紹介します。

財産に関わる書類の整理

預貯金の通帳のコピー、建物や土地の権利書など、財産に関わる書類を整理しておきましょう。必要情報を記載するのに役立つ他、整理して保管することで紛失などのリスクを防ぐことができます。

銀行口座やクレジットカードなどの整理

銀行口座やクレジットカードが複数ある場合は、これらの情報も整理してまとめておきましょう。使っていないものや不要なものは解約しておきましょう。また、死後の手続きのためにログインIDやパスワードも共有できる状態にしておくのがおすすめです。

財産目録の例

個人の財産目録は、インターネットでダウンロードできるテンプレートなどを使って作成できます。作り方がわからないという方は、テンプレートをダウンロードして自分で一度作ってみるとよいでしょう。ここでは、簡易的な財産目録の記載例をご紹介します。

番号
財産の種類・地名
財産の種類・金融機関名・内容など財産の特定に必要な情報
数量・面積・持分
相続開始の評価額
備考
1
不動産(建物)
東京都中央区○○町○○番○○
1
15,000,000
 
2
預貯金
○○銀行○○支店普通○○○○○
1
20,000,000
 

4. 人間関係や仕事の見直し

終活の取り組みとして、人間関係や仕事の見直しを行うのもおすすめです。人間関係を絞り込むことで、自分に本当に必要な仲間を大切にできる他、不要な出費や時間を減らすことにもつながります。

軸を作って人間関係を整理してみる

「いざというときに頼れる人」「利害関係がない状態で長く交友関係を続けている人」「縁が切れても仕方がない人」などの軸を作り、これまでの人間関係を整理してみましょう。整理が済んだら、本当に気が合う人との関係を優先し、それ以外の人間関係を減らすことで日常のストレスを減らすことができます。また、残された時間とお金を本当に大切な人のために有意義に使えるようになります。SNSなども同様に、必要のないつながりを断ち、人間関係をシンプルにしましょう。

仕事関係も含めてセカンドキャリアについても整理する

生涯現役で仕事をするのか、定年後は仕事をせずに静かに暮らすのか、別の仕事をはじめるのか、など自身のセカンドキャリアについても考えをまとめておきましょう。そうすることで、現在の仕事を続けるのか、もしくは転職が必要なのか、資格を取得しておくのかなど、今やるべきことを明確にすることができます。

5. 病気やケガで入院・介護が必要になったときの対応

病気やケガで入院・介護が必要になったときの対応について考えることも大切です。以下のような内容をエンディングノートなどにまとめておくとよいでしょう。

医療情報を整理する

自身の持病、服薬している薬、かかりつけ医の有無、保険証番号など、医療にかかわる情報を整理します。体調や健康状態に変化がなくても、いつ何が起こるかわかりません。家族や親族、周囲の人間に相談し、かかりつけ医を見つけておきましょう。また、人間ドッグなどの健康診断の受診も検討しましょう。

保険の見直し

万が一に備えて、保険を見直すことも大切です。加入済みの保障内容を見直し、不安を感じる場合は新しい保険への加入を検討しましょう。逆に、複数の保険に加入しており、保障内容に重複がある場合は解約を検討してもよいでしょう。

また、保険金や給付金の手続きまとめておくことも大切です。万が一の際に、家族がスムーズにお金を受け取れるようにしておいてください。このほか、保険について不安やわからないことがある場合は、専門家に相談してみてもよいかもしれません。

6. 親の終活をサポートする

もしできれば親の終活をサポートしましょう。自身の終活に活かすことができる他、両親の死後の手続きなどがスムーズになります。

所有している財産とその整理を一緒に行う

両親の財産目録を一緒に作るなど、所有財産の整理を一緒に行ってみてください。一緒にチェックしながら財産を整理することで、抜け漏れを防ぐことができる他、自身が財産目録を作るときにその経験を活かすことができます。また、両親の財産を把握することで相続の手続きがスムーズになります。

葬儀やお墓関連など死後の希望を整理する

葬儀やお墓など、死後の希望をまとめる手伝いをしましょう。一緒に希望をまとめることで、両親の希望を把握することができ、「どこに何をいつまでに依頼するのか」といった死後の手続きを滞りなく行えます。

実家の断捨離を一緒に行う

ご両親が高齢の場合、断捨離を行うのが困難な場合があります。死後に遺品整理業者に依頼するという方法もありますが、物が多いと費用が高くなります。両親と協力しながら、できるものから少しずつ断捨離を行っておきましょう。また、断捨離を一緒に行うことで、粗大ゴミの捨て方などについて学ぶこともできます。

まとめ

まだまだ若く、体力も気力も十分な40代は、終活をスタートさせる良いタイミングです。終活に取り組むことで今後のやるべきことが整理され、気持ちが前向きになるなど、日常生活の良い刺激になることもあり得ます。終活に興味をお持ちの40代の方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、終活をはじめてみてください。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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