お葬式コラム

終活とは?メリット・デメリットと取り組むべき準備6選を詳しく解説!

終活とは人生の終わりを意識して、残りの人生を有意義に過ごすための活動全般を指す言葉です。
最近では、ライフプランのひとつとして一般的になりつつありますが、中には「終活に興味があるけど、具体的に何をすればいいのかわからない」という方もいるかもしれません。そこで今回は、終活とは何か?どのようなメリット・デメリットがあるのか?などについて詳しくご紹介します。

終活とは?目的とライフステージ別の考え方

まずは、終活の概要や考え方についてご紹介します。

終活の目的は?

ご紹介したように、終活とは「人生の終わりを意識して、残りの人生の豊かに過ごすための活動全般を指す言葉です。終わりを意識して、そこから逆算してやるべきことや準備しておきたいことを考えることで、人生の最期に後悔がない選択をできるようになります。お葬式やお墓の準備、または遺言書の作成を終活だと考えている方もいるかもしれませんが、やっておきたいリストを作成したり、身辺整理をしたり、取り組むべきことは多々あります。また、自分のためだけでなく、死後の家族の負担を減らすというのも終活の大きな目的といえます。

ライフステージ別の終活の考え方

終活はライフステージによってやるべきことが変わっていきます。

心身ともに健康な状態

心身ともに健康であり、認知能力にも支障が出ていない状況です。心身や認知能力が低下したときに備えて、身辺整理・財産目録の作成の他、医療や介護、お葬式やお墓の希望などをまとめてエンディングノートを作成します。

心身の健康や認知能力が低下した状態

心身の健康や認知拡大が低下してくると、自分だけで終活に取り組むのが難しくなっていきます。早い段階家族に終活の内容を伝えて、一緒に手伝ってもらいながら、身辺整理やエンディングノートの内容を追加・修正します。

認知能力を喪失した状態

認知能力を喪失すると、自分で終活を行うことができなくなります。医療・介護の希望を本人に代わって周囲に伝える人が必要になります。

相続の発生

本人が亡くなり、相続が発生する段階です。終活で取りまとめた内容をもとに、家族が本人の希望に沿って、葬儀・お墓の準備や相続を行います。

終活は何歳からはじめる?

終活は何歳からはじめるのが良いのか?といったお悩みをお持ちの方もいるかもしれません。体力や認知能力が衰えると、自分で判断したり行動したりすることができなくなるため、なるべく元気なうちにはじめるのがよいでしょう。具体的には、遅くても50~60代からスタートするのをおすすめします。最近では、ライフプランニングの一環として、20~30代から終活をはじめる方も少なくありません。

終活をするメリット・デメリット

次に終活をするメリットとデメリットについてご紹介します。

終活のメリット

終活をするメリットとしては、以下の4つがあります。

人生の振り返りや今後を考える機会になる

終活を行う最大のメリットは、人生の振り返りや今後について考える良い機会になるという点です。やることリストをまとめたり、身辺整理を進めたりしている段階で、「これまでどのような人生を歩んできたのか?」「その人生に満足できているのか?」「最期に後悔しないために今やるべきことは何か?」といったことを考えるきっかけになり、残された人生でやるべきことを見つけやすくなります。

老後の生活が充実する

早めに終活を進めることで、老後の残された人生でやりたいことを明確にできます。年齢を重ねれば重ねるほど、新しいことにチャレンジするのはおっくうになっていきますが、終活を通して残りの人生の目標ややりたいことを定めることで、モチベーションが維持しやすくなり、老後も精力的に活動できるようになります。

遺産相続のトラブルを防げる

終活の重要な取り組みのひとつとして、財産目録の作成や遺言書の作成など、遺産相続に関わるものがあります。心身が健康で認知能力にも問題がないうちにこれらの情報整理や手続きを進めることで、自分の死後の遺産相続に関するトラブルを防ぐことができます。

遺された家族の負担を軽減できる

「財産目録・遺言書の作成」「お葬式やお墓の希望」などを行っておけば、自分の死後、その情報をもとに家族が手続きを進めることができます。また、できる限り身辺整理を進めておけば、死後の遺品整理の負担もそこまでかかりません。終活を行うことで、遺された家族の負担を大幅に軽減することができます。

終活のデメリット

終活の代表的なデメリットとしては以下の2つがあります。

時間や手間がかかる

身辺整理・財産目録の作成・医療介護や死後の希望、エンディングノートの作成など、終活の取り組みにはさまざまな種類があります。これらの取り組みを進めるのに、どうしても時間や手間がかかります。そのため、なるべく早めに終活をスタートさせて、時間をかけてゆっくりと取り組むようにした方がよいでしょう。

かえって不安を煽ってしまう可能性も

終活では、病気になったときの対応や危篤に陥ったときの希望などの情報もまとめていくため、このようなことを考える中で、将来に対する不安が増してしまう可能性があります。また、財産目録を作成する段階で、遺せる遺産の少ないことを悔やんだり、老後の生活に不安を感じたりしてしまう可能性もあります。不安を感じた場合は、「それをどう乗り越えるか」などと、できるだけポジティブに捉えるようにしましょう。また、考えすぎを防ぐために、定期的に終活と距離を置くことも大切です。

終活の準備6選とやり方を解説!

ここからは、終活で取り組むべき準備6選とそれぞれのやり方についてご紹介します。

エンディングノート

エンディングノートの概要や書き方のポイントについてご紹介します。

エンディングノートとは?

エンディングノートとは、終活に関する取り組みや死後の希望などの情報をまとめたノートのことです。「葬儀・お墓・形見分け」の希望、「毎月の支払や保険・年金・株・個人信託」に関する情報など、さまざまな情報を記載します。また、今後のライフプランややりたいことリスト、親族へのメッセージなどを一緒に記載するケースもあります。
自分で内容を適宜確認する必要がある他、死後は家族が内容を確認しながら手続きを進めていくため、終活の核であり、重要な取り組みといえるでしょう。

書き方は?

エンディングノートには決まった形式や書式はありません。市販のノートを使っても良いですし、エンディングノート用に販売されているノートを使う方法もあります。また、最近ではエンディングノート向けのアプリなども利用できます。このようなアプリを使って、スマホやパソコンで情報をまとめていくのもよいでしょう。ただ、家族もログインできないと死後に困るため、IDやパスワードなどの共有を忘れないようにしてください。

この他、エンディングノートの書き方については以下の関連記事にまとめています。エンディングノートの詳しい書き方が知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

身辺整理

身辺整理とは、モノ・コト・ヒトなどの断捨離のことです。不要なものを廃棄して、必要なものだけにしておくことで身軽になりますし、死後の家族の負担を減らすこともできます。また、スマホやパソコンに保存されているデジタルデータ断捨離を進めることも大切です。

モノの断捨離

モノの断捨離の対象は、日用品・衣類・書籍・家財道具・家電・趣味の物品などです。これらの物品を必要なものと不要なものに分類して、自治体のルールに沿って廃棄したり、不用品回収業者に引き取ってもらったり、買取業者・リサイクルショップ・フリマアプリなどで売却したりします。

コトの断捨離

コトの断捨離の対象は、自分が日々行っているすべての行動です。「習慣として飲酒や喫煙をしている方はそれをやめる」「夜型から朝型に変えてみる」「ギャンブルは控える」などなど、日々自分が行っているコトを整理して、自分の健康や将来にとって悪影響を及ぼすことを断捨離してみましょう。

ヒトの断捨離

ヒトの断捨離は、あらゆる人間関係が対象になります。自分の人間関係を棚卸してみて、もしストレスを感じている関係があるのであれば、思い切って関係を断つ努力をしてみましょう。人間関係を整理することで、精神的に身軽になりますし、人間関係に割いていた時間をより有意義に使うことができるようになります。

デジタルデータの断捨離

デジタルデータの断捨離は、スマホやパソコンに保存しているデータやサービスが対象になります。デジタルデータは物理的なスペースが不要なため、ついつい溜め込んでしまいがち。また、使っていないWebサービスに課金し続けているケースも多いため、使用していないものや使用頻度が少ないものは退会しましょう。

財産目録・遺言書の作成

財産目録や遺言書の作成も終活の重要な取り組みのひとつです。

遺言書とは?

遺言書とは、自分の死後に財産をどのように分配するか、またその他の意思を明確にするための法的文書です。遺言書を作成することによって、自分の意志を確実に伝えることができ、相続争いなどの死後のトラブルを防ぐことができます。自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言などの種類があり、法的な効力を持たせるために、指定の形式で記載する必要があります。

財産目録とは?

財産目録とは、遺言書や相続手続きの際に必要となる、被相続人(故人)の財産に関する詳細なリストです。財産目録に記載する財産としては「土地や建物などの不動産」「現金・預貯金・株式・債券・自動車・貴金属・骨董品などの動産」「借金やローンなどの負債」などがあります。財産目録に法的効力はないため、特定の形式などはありません。

遺言書は自分で作れる?

遺言書は決まった形式で作成することが大切です。また、記載漏れなどがあると法的な効力がなくなってしまうため、不安な方は作成に関して専門家に相談した方がよいかもしれません。遺言書の作成に関しては、各市区町村の役場などで相談ができる他、弁護士や司法書士に作成を依頼することもできます。詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

医療・介護・保険に関する手続きをまとめておく

終活では、医療・介護・保険に関する手続きもまとめておきましょう。

医療関連で準備すべきこと

医療関連では、病歴・持病・服薬中の薬・かかりつけ医・保険証番号などの情報の他、臓器移植や延命処置への希望などの情報をまとめます。判断能力が十分なうちにまとめておき、適宜内容を確認しながら内容を追加・修正するようにしてください。

介護関連で準備すべきこと

介護が必要になったときの情報もまとめておきましょう。施設に入居するか自宅をリフォームして訪問介護を受けるかなど、どのような介護を希望するのかなどの情報を整理します。また、介護保険者被保険者証を受給している場合は、番号や利用状況なども控えておきましょう。歳を重ねるにつれて状況が変わるため、定期的に内容を追加・修正してください。

保険関連で準備すべきこと

自身が加入している保険の内容を見直し、不要なものがあれば退会しましょう。また、加入している保険ごとに保険金の受取手続きをまとめておき、いざというときに家族が困らないようにしておくのがおすすめです。

お墓や葬儀の準備

死後のお墓や葬儀の準備も終活の重要な取り組みです。

お墓の準備

先祖のお墓に入るのか、新しくお墓を建てるのかなどのお墓に関する希望をまとめておきます。先祖のお墓に入る場合はその手続き、新しくお墓を建てるときは「どこに依頼するか・どんなタイプのお墓にするか・予算は」などの情報を整理しておきましょう。

葬儀の準備

葬儀を行うかどうか?どのような葬儀会社に依頼するか?予算は?など、葬儀に関する情報についてまとめます。また、希望する依頼先がある場合は、連絡先や担当者などの情報も記載しておくとよいでしょう。

誰に相談する?

お墓や葬儀に関することは、葬祭業者や互助会、家族の菩提寺や霊園などに相談できます。わからないことや事前に知っておきたいことがある場合は相談してみてください。

やりたいことリストやペットについても考える

残り人生でやりたいことをまとめておくことも大切です。やりたいことリストを作成し、目標を明確にすることで残りの人生をより豊かに過ごすことができます。後悔のない人生を過ごすためにも、ぜひ作成してみてください。また、ペットがいる方は、自分の死後の引き取り先を決め手おくとよいでしょう。また、ペットの食事や散歩の頻度、持病やかかりつけ医などの情報もまとめておくと、引き取り先の負担を軽減できます。

終活で注意したいポイントと知っておきたい契約

最後に、終活で注意したいポイントや知っておきたい契約についてご紹介します。

終活で注意したいポイント

終活の取り組みを行う中で、注意したいポイントについてご紹介します。

できるだけ早めにスタートしよう

今回ご紹介したように、終活で取り組むべきことにはさまざまな種類があります。身辺整理の断捨離を行うには体力が必要ですし、認知能力が落ちると財産目録を作ったりエンディングノートをまとめたり情報整理をするのも大変になります。年を重ねれば重ねるほど終活の取り組みが大変になっていくので、できれば50~60代の早い段階で終活をスタートしましょう。

焦らずゆっくりと準備する

終活の取り組みは、「エンディングノート、身辺整理、財産目録や遺言書の作成、医療・介護・保険、お墓や葬儀の準備」などなど、さまざまな種類があります。これらの取り組みを同時にスタートすると、やることが多すぎてモチベーションを維持するのが難しくなりますし、内容にもミスが多くなります。終活を行うときは、焦らずにひとつずつ進めていきましょう。また、終活の内容は定期的に見直して、状況に応じて修正・追記することが大切です。短期間で終わらせるものではなく、長期的に取り組むものという意識を持ちましょう。

家族・両親と一緒に断捨離を行う

終活の大きな目的のひとつは、遺された家族の負担を軽減するということです。そのため、終活の内容は自分1人だけではなく、家族にも共有して理解してもらう必要があります。また、断捨離をすすめる際にも注意が必要です。家族の思い出の品などを自分の判断だけで処分してしまうと、後々のトラブルにつながる可能性も。断捨離を行う際には、自分1人ではなく家族や両親と一緒に行うようにしましょう。

困ったら専門家に相談を

遺言書の作成方法・家具や家電などの処分方法・エンディングノートの書き方などなど、終活をしていると必ずわからないことがでてきます。自分や家族だけで解決ができないことも多いので、そういうときは専門家に相談するようにしてみてください。特に遺言書の作成には専門的な知識が必要なので、状況に応じて弁護士や司法書士などに相談しましょう。

老後を支える契約を有効活用

最後に、近親者がいない、または家族はいるけど疎遠になっているという方に知っておいてほしい契約をいくつかご紹介します。このような契約を利用することで、家族がいなくても安心して終活を進めることができます。

財産管理委任契約

財産管理委任契約とは、財産の管理や処分を自分で選んだ代理人に委任するための契約です。介護や病気などが原因で財産管理が難しい場合に、信頼できる人や専門家に管理を委任することで、自分に変わって身辺整理などを進めてもらうことができます。

任意後見契約

任意後見契約とは、将来自分が認知症などで判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめ信頼できる人を後見人として指定する契約です。後見人は、本人の財産管理や身上監護などを行います。任意後見契約は、公証人役場で公正証書によって行われます。

見守り契約

見守り契約とは、任意後見契約をスタートさせるタイミングを見極めるための契約です。任意後見契約の締結後、一定期間本人と連絡を取り合い、本人の健康状態や生活状況を確認しながら、任意後見契約をはじめるタイミングを見極めます。見守り契約をすることで、締結した任意後見契約がムダになってしまうのを避けることができます。

死後事務委任契約

死後事務委任契約は、本人が亡くなった後の事務処理を委任する契約です。任意後見契約や財産管理契約は原則として本人が亡くなると効力が消滅しますが、死後事務委任契約を締結することで、「遺体の引取・葬儀の手続き・医療費の精算・施設や賃貸住宅の支払いや退去手続き」などを本人や家族に代わって行えるようになります。

まとめ

終活とは、人生の終わりを意識して、残りの人生を有意義に過ごすための活動です。終活を進めるには一定の体力や認知能力が必要なため、できれば心身ともに元気なうちに活動をスタートさせましょう。また、事故や災害、病気などで若くして急に命を落としてしまう可能性もあります。20~30代とまだまだ若くても、もし興味があればぜひ終活に取り組んでみてください。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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