お葬式コラム

10代終活は早すぎ?終活を早く始めるメリットとポイントを解説!

終活は、60~70代からはじめるものというイメージから、「若いうちからライフプランの一環として取り組むもの」に変わりつつあります。ただ、「10代から終活をはじめるのはさすがに早すぎるのでは?」と感じている方もいるかもしれません。そこで今回は、10代から終活をはじめる意義やメリットについてご紹介します。

10代は早い?終活をはじめる理由は?

まずは、終活の概要や10代から終活をはじめる理由について解説します。

終活とは?

終活とは、人生の終焉を意識して、残りの人生を有意義に過ごすために行う取り組みです。終活を行うことで、ライフステージのさまざまなシーンで後悔のない判断をしやすくなる他、自分や家族の身辺整理をスムーズに行うことができるようになります。死後のお葬式や相続の準備となると、60~70代にはじめればいいのでは?と考えてしまいがちですが、終活で取り組むべきことはさまざまで、積極的に取り組みを進めることで、自分の人生をより豊かにしてくれるのです。

10代の終活はライフプランの一環として有効?

「人生の終焉を意識して、残りの人生を有意義に過ごすための方法を考える」という、終活の根本的な意味を考えると、終活をはじめる年代にそこまでこだわる必要はありません。そのため、最近では20~30代の若年層がライフプランの一環として終活に取り組むケースが増えています。10代であっても、年代を気にすることなく終活を取り組んでみてもよいでしょう。

10代から終活をするメリット・デメリットは?

ここからは、10代から終活をするメリット・デメリットについてご紹介します。

メリット

突然の病気やケガに備えられる

人生には予測不可能な出来事がつきものです。特に病気やケガは突然発生することが多く、準備がないと大きな負担となります。終活を通じて、「医療保険や生命保険の見直し・加入、緊急時の連絡先や医療情報の整理、財産や資産の整理」などを行うことができるので、万が一の時にも冷静に対処でき、自分や家族の負担を軽減することができます。10代では、できることに限りがあると思いますが、自分のできる範囲で突然の病気やケガに備えてみましょう。

キャリア・ライフプランを考えるきっかけになる

終活は、自分の人生全体を見つめ直す良い機会です。特に10代はこれから社会に出ていく世代のため、終活を通してキャリア・ライフプランを考えることには大きな意味があります。終活の一環として、「長期的なキャリアの目標設定、ライフイベント(結婚、出産、子育て、老後など)の計画、自己実現のための目標設定」などに取り組んでみましょう。このような準備をすることで、進学・就職などで何を目指すべきかを明確にすることができるでしょう。

人生に必要なモノ・コト・ヒトがはっきりする

終活を進めることで、自分にとって本当に大切なものが何かを見つめ直す機会が得られます。これにより「不要なものを整理しシンプルな生活を実現できる、大切な人との時間を重視できるようになる、自分にとって重要な経験や活動を優先できるようになる」などの効果が得られ、人生を有意義に進めることができるようになります。

身辺整理を習慣づけられる

10代から終活の一環として身辺整理に取り組むことで、定期的に身の回りの整理整頓を行う習慣が身につきます。それにより「物の管理がしやすくなり必要なものをすぐに見つけられる、スペースの有効活用が可能になる、不要なものを処分することで心理的な負担を軽減できる」などの効果を得られるでしょう。また、身辺整理を通じて、自分の生活や環境を常に整えることができ、快適な生活を維持しやすくなります。

両親の終活を考えるきっかけになる

自分自身の終活を考えることで、自然と両親や家族の終活についても考えるようになります。もし両親と終活について話し合う機会があれば、家族全体で進める取り組みとして、早くから両親の終活をサポートできるようになります。また、家族で終活に取り組むことで、「家族間でのコミュニケーションが深まり、お互いの希望や意見を共有できる、両親の希望に沿った終活のサポートができる、将来的な家族の負担を軽減するための準備ができる」といった効果を得ることができます。

デメリット

10代から終活をスタートすることにはさまざまなメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。終活をはじめる際にはデメリットの部分も理解しておくとよいでしょう。

考えすぎは禁物

終活を真剣に考えることは大切ですが、過度に考えすぎると、ネガティブな感情が増し、精神的な負担が大きくなる可能性があります。これは特に若い世代にとっては、必要以上の不安を抱える原因となります。また、終活に集中しすぎると、現在の生活や仕事、学業などに影響を与えてしまう可能性も考えられます。将来のことを考えることは大切ですが、それは「今やるべきこと」のクオリティを高めるために重要だからです。将来のことばかりを考えて、現在がおろそかになってしまうのは避けましょう。

将来の選択肢を狭めてしまう可能性も

終活を通じて将来の計画を立てることは有益ですが、過度に具体的な計画を立てすぎると、将来の選択肢やチャンスを狭めてしまうことにつながります。人生では、計画通りにいかないことも多いため、ある程度の柔軟性を持つことが重要です。また、計画を考える際にリスクを避けすぎると、新しい挑戦や経験も避けることになり、結果的に成長や自己実現の機会を逃すことにつながります。

10代の終活で準備したい7つのこととは?

では、10代からの終活で準備したい7つのことについてご紹介します。準備しておきたい4つのことと、プラスアルファでやっておきたい3つのことをご紹介するので、まずは4つの取り組みを進めつつ、余裕があれば、その他の3つの取り組みにもチャレンジしてみましょう。

10代終活はまずはこの4つから

1. 実現したいこと、やりたいことリストを作成する

10代からの終活の場合は、自分が人生で実現したいことややりたいことをリストにすることからはじめましょう。まずは、旅行したい場所、学びたいスキル、挑戦したい活動など、自分が心から望むことを書き出します。次に、リストに書いた項目に優先順位をつけ、どの順番で達成していくかを考えましょう。そして最後に、実現するための具体的なステップや期限を設定します。このリストは、自分の人生の方向性を見つめ直し、モチベーションを高める手助けとなります。

2. キャリアプラン・ライフプランを考える

次に、自分のキャリアや人生全体のプランを考えてみましょう。これは長期的な視点で自分の将来を見据えるのに役立ちます。まずは、どのような職業に就きたいのか、そのために必要なスキルや経験を考えましょう。次に、結婚、子育て、住宅購入など、人生の重要なイベントをどのように迎えるかを考え、それをいつまでに実現したいかプランニングします。また、学習や資格取得など、自己成長のために投資すべきことをリストアップしておいてもよいでしょう。このようなキャリア・ライフプランを考えることで、日々の生活や学業に目的を持って取り組むことができるようになります。

3. モノやデジタルデータの断捨離

10代だと、自身の所有物はそこまで多くないかもしれませんが、断捨離を習慣付けるためにも、できる範囲でチャレンジしてみましょう。まずは、不要な衣類、本、雑貨などを整理し、必要なものだけを残しましょう。また、スマートフォンやパソコンのデジタルデータの整理も行いましょう。データ、メール、写真などを整理し、不要なデータを削除します。また、重要な書類やデータの保管方法を決め、必要なときにすぐにアクセスできるようにしておくと便利です。このようなモノやデジタルデータの断捨離を習慣づけ、定期的に行うようにしましょう。

4. エンディングノートに情報をまとめる

エンディングノートとは、「葬儀・お墓・形見分け」の希望の他、親族への個別のメッセージなどをまとめたノートのことで、終活で行った取り組みの情報をまとめる重要なものです。書くべき内容や形式に決まった形があるわけではないので、「終活で取りまとめた内容を書き留めるもの」といったイメージを持っておけばよいでしょう。以下に、エンディングノートに記載する内容の代表例をご紹介します。
【例】
・基本情報:氏名・生年月日・現住所・本籍地・連絡先など
・友人の連絡先:葬儀に来て欲しい人の連絡先など
・デジタルデータのID・パスワード:パソコン・スマートフォン・Webサービスのログイン情報
・医療介護で希望すること:重とくな状態になった場合の治療方針や介護に関する希望
・葬儀やお墓の希望:お葬式・お墓の希望、形見分けの希望、遺言書についての説明など
・お金に関わるもの:保険・年金・株・個人信託などの情報
・親族へのその他メッセージ
・終活の優先順位の整理


10代の場合は、まだまだ書けない内容も多いと思うので、無理にすべてを埋める必要はありません。取り組んだ内容だけをまとめておき、必要に応じて記載内容を増やしていきましょう。

プラスアルファで準備したい3つのこと

1. 生涯で必要になるお金を計算する

もし可能であれば、ライフプランやキャリアプランを参考に、ライフステージで必要となるお金を計算してみましょう。生涯で必要になるお金を計算するときは、「1. 生活費の見積もり:日常生活にかかる費用(家賃、食費、光熱費など)を計算する」「2. ライフイベントの費用:結婚、子育て、教育、住宅購入など、ライフイベントにかかる費用を予測する」「3. 老後の資金計画:退職後の生活費、医療費、介護費用などを見積もり、老後に必要な資金を計算する」「4. 投資と貯蓄:将来のためにどのくらいの金額を投資や貯蓄に回すべきかを計画する」。このように生涯に必要なお金を計算することで、将来に向けた具体的な財務計画を立てることができ、不測の事態にも備えることができます。

2. 医療・保険・介護・死後に関わる希望をまとめる

次に、自分自身の医療、保険、介護、死後の対応についての希望をまとめてみましょう。これらの情報をまとめておくことで、自分の意志を明確にし家族への負担を軽減するために重要です。
・医療の希望:緊急時の医療処置や終末期のケアについて、自分の希望を明確にします。例えば、延命治療の可否や希望する治療方法などです。
・保険の確認:生命保険、医療保険、介護保険など、自分が加入している保険の内容を確認し、必要な場合は見直します。
・介護の希望:将来的に介護が必要になった場合の希望(在宅介護、施設介護の選択など)をまとめます。
・死後の対応:葬儀の希望など、自分の死後に関する希望を詳細に記録します。遺言書の作成、財産分与などは、年齢を重ねてからでも問題ありません。

これらの情報をエンディングノートにまとめておくと、家族が困ることなく対応できるようになります。また、これらの内容は状況に応じて変化するものなので、定期的に見直しては内容を書きなおすようにしましょう。

3. 親の終活をサポートする

自分自身の終活だけでなく、親の終活をサポートすることで親の死後の対応がスムーズになる他、自身の終活に活かすことができます。親の終活をサポートする際には以下のようなポイントに注意しましょう。
・コミュニケーション:自身が終活に興味を持っていることを伝え、親と終活について話し合い、親の希望や意見を聞きます。
・情報整理:親の財産、保険、医療情報などを整理し、必要な書類をまとめるのを手伝います。
・支援計画の作成:親が終活を進めるための具体的な支援計画を立てます。例えば、書類作成の手伝いや、専門家への相談を手配します。
・身辺整理:実家の家財道具の断捨離をサポートします。必要に応じて不用品回収業者なども手配しましょう。
・定期的な見直し:親の状況や希望の変化に応じて、定期的に終活の計画を見直します。

親の終活をサポートすることで、親が安心して過ごせる環境を提供し、将来的なトラブルを防ぐことができるようになります。

10代終活で意識しておきたいポイントは?

最後に、10代の終活で意識しておきたいポイントについてご紹介します。

キャリア・ライフプランの組み立てを優先に

10代で終活を始める際には、まずキャリアとライフプランの組み立てを優先することが重要です。「将来どのような職業に就きたいか、そのためにどのような学びや経験が必要かを考え、目標を設定する」「結婚、子育て、住居の取得など、人生の大きなライフイベントを見据えた計画を立てる」「目標達成のために必要なスキルや資格を取得するための計画を立て、具体的なアクションプランを作成する」など、明確な目標を持ち、将来に向けての具体的な行動を計画しましょう。

断捨離は適度に行う

物理的な断捨離は、終活の一環として重要ですが、10代で行う際には適度に行うことが大切です。定期的に自分の持ち物を見直し、不要なものを処分する習慣を身につけましょう。パソコンやスマートフォンのデータも同様に、不要なデータを削除し、必要なデータを整理してみてください。

焦らずゆっくり準備する

終活は急いで行う必要はありません。焦らず、ゆっくりと時間をかけて準備することが重要です。一度に全てを完了しようとせず、少しずつ進めることで、無理なく終活を続けることができます。他人と比較せず、自分のペースで進めることが大切。また、終活は一度で完了するものではありません。定期的に見直し、必要に応じて計画を修正することを意識しましょう。

家族や専門家に相談する

終活を進める上で、状況に応じて家族や専門家に相談することが重要です。家族と終活について話し合い、自分の希望や考えを共有することで、お互いの理解を深めましょう。また、必要に応じて、弁護士、ファイナンシャルプランナー、医療関係者などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けてみてください。 終活を一人で進めるのは大変です。家族や友人、専門家のサポートを受け入れながら進めることを意識しましょう。

まとめ

10代からの終活はさすがに早すぎるのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、キャリア・ライフプランの一環として捉えれば、早くはじめることにはたくさんのメリットがあります。終活に興味をお持ちの10代の方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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