お葬式コラム

一日葬とは?家族葬との違いやメリット・デメリットを詳しく解説!

一日葬は、通夜を省略し、告別式と火葬のみを一日で行うシンプルな形式の葬儀です。遺族の負担を軽減し、費用を抑えることができるため、忙しい現代社会において人気が高まっています。ただし、親族や寺院との相談を十分に行い、トラブルを避けるために準備をしっかり行うことが重要です。そこでこの記事では、1日葬の特徴やメリット・デメリット・注意点などについて詳しく解説します。

一日葬とは?家族葬とどう違う?

一日葬とは?

一日葬(いちにちそう)とは、通夜を省略し、告別式と火葬のみを一日で行う形式の葬儀を指します。従来の葬儀が二日間にわたることが多い中、一日葬はその名の通り一日のみで完結するのが特徴です。 通夜を行わないため準備や進行がシンプルで、遺族の負担を軽減することができます。例えば、遠方からくる親族の宿泊先や食事を手配する必要もありません。

一日葬と家族葬の違い

一日葬と家族葬は、どちらもシンプルで少人数で行われる葬儀の形式です。しかし、異なる点もあります。

日程の違い

一日葬は、通夜を省略するため一日で完結しますが、家族葬は通常通夜と葬儀を二日間にわたって行います。

参列者の違い

一日葬は参列者の規模に制限を設けないことがほとんどですが、家族葬は参列者を家族や親しい友人に限定します。

費用の違い

一日葬は通夜を省略するため費用が抑えられることが多いですが、家族葬は通夜も行うため若干高くなる傾向があります。

宗教的観念・伝統的慣習の違い

家族葬は一般葬と比べると参列者の規模が小さい葬儀の形ではありますが、通夜と葬儀といった慣習はしっかり踏襲します。そのため、宗教的観念や伝統を重視する方に適していると言えるでしょう。一方、一日葬は通夜を行わず葬儀だけを行うので、よりシンプルで現代的な形式です。宗教的意味合いや伝統的な慣習にさほどこだわらない方にとっては十分と言える内容なのかもしれません。

一日葬をあげる人の割合は?

近年、一日葬を選ぶ人の割合は増加しています。忙しい現代社会において、時間と手間を省くために一日葬が選ばれるケースが多いようです。また、コストを抑えたいという理由からも人気があります。

一日葬のメリット・デメリットとは?

1日葬には以下のようなメリット・デメリットがあります。

一日葬のメリット

遺族の負担を減らせる

一日葬は通夜を省略し、告別式と火葬を一日で行うため、準備や進行がシンプルで遺族の身体的・精神的な負担が軽減されます。特に高齢の親族や仕事が忙しい遺族にとっては、大きなメリットとなります。

葬儀の費用を抑えられる

通夜を行わないため、費用が削減できます。通夜を会場で行う場合、通常の葬儀では通夜の日と告別式の日で2日分の会場費必要になりますが、一日葬の場合は会場費が一日分で済むケースも。また、2日間の通夜振る舞いや遠方からくる親族や弔問客の宿泊費が不要になる点も大きいと言えるでしょう。

故人とゆっくり過ごすことができる

通夜を行わないことで、家族だけで故人とゆっくり過ごす時間が確保できます。告別式の前後に落ち着いた時間を持てるため、故人との最後の時間を大切にすることができます

一日葬のデメリット

親族やお寺から反対される可能性がある

一日葬は新しいスタイルの葬儀です。そのため、伝統や習慣にこだわる親族やお寺から反対されることがあるかもしれません。
従来の仏教式の葬儀では、通夜・告別式・火葬の流れが1セットで、一つひとつの工程に宗教的な意味があります。一連の葬儀を経て丁寧に故人を送ることが手向になると考える人も多く、また、葬儀という宗教的儀式を通して残された人の心の整理がつくこともあります。そのため、通夜を省略する1日葬は受け入れ難いと感じる人もいるかもしれません。また、代々お世話になっている菩提寺がある場合、許しが得られないことも考えられます。

弔問対応の負担が増える可能性も

通夜と告別式を2日間に渡って行う一般的な葬儀の場合、弔問客も2日に分かれることが多いですが、一日葬の場合は弔問客が一日に集中します。そのため、その対応で慌ただしくなりがちで、遺族への負担が増すことがあります。
また、弔問客側にとっても、葬儀が一日のみの一日葬だと仕事などの都合で参列できないという事態が起こりやすくなります。

会場費や一般葬と変わらないことも

費用が抑えられるのが一日葬のメリットの一つではありますが、場合によっては会場費や基本的な葬儀費用が一般葬とあまり変わらないこともあります。葬儀を行うのは1日だけですが、会場へのご遺体搬送が前日になる場合などでは、2日分の会場費がかかるケースも。

一日葬の流れと料金の目安は?

一日葬の基本的な流れ

葬儀業者に問い合わせする

まず、信頼できる葬儀業者に問い合わせを行い、日程や希望する葬儀の形式について相談します。業者によっては、事前の打ち合わせや見積もりを提供してくれる場合もあります。葬儀業者の選定は、口コミや評判を参考にすると良いでしょう。

ご安置

葬儀業者がご遺体を安置場所に移し、安置します。安置場所は、自宅や葬儀会館、斎場などが一般的です。ご遺体が安置されると、遺族や親族が故人と最後の時間を過ごすことができます。

葬儀プランと費用の打ち合わせ

葬儀業者と詳細な打ち合わせを行い、具体的な葬儀プランと費用を確定します。希望や予算に応じて、祭壇の装飾やプログラム内容を決めます。

納棺

ご遺体を棺に納める儀式を行います。納棺師が丁寧に対応してくれる場合もあります。この際、故人の遺品やお花を棺に入れることが一般的です。

告別式

葬儀と告別式を同日に行います。家族や親しい友人が集まり、故人を偲ぶ時間を過ごします。祭壇の前で読経が行われ、参列者が焼香を行います。

火葬

告別式の後、ご遺体は火葬場に運ばれます。火葬場で故人の魂を送り出す儀式が行われ、火葬が行われます。火葬が終わるまでの時間、遺族は控室で待機します。

終了

火葬が終わり、ご遺骨を受け取ります。その後、遺族がご遺骨を自宅やお墓に持ち帰り、一日葬の全ての儀式が終了します。

一日葬の費用は?

一日葬の費用相場

一日葬の費用は、一般的に20万円から50万円程度です。地域や葬儀業者によって変動しますが、通夜を省略する分、比較的リーズナブルです。

費用の内訳

一日葬の費用には、以下の項目が含まれます。
基本葬儀費用(棺、遺影、祭壇など)
会場使用料
火葬費用
運搬費用(ご遺体の搬送)
飲食費用(会食を行う場合)

お布施の目安は?

お布施の金額は、寺院や宗派によって異なりますが、一般的には5万円から20万円程度が相場です。お布施の額については、葬儀業者や寺院と相談して決めると良いでしょう。

1日葬でトラブルを防ぐ方法は?

一日葬は現代のライフスタイルに合った葬儀形式ですが、準備不足やコミュニケーション不足によるトラブルを避けるために、いくつかのポイントに注意する必要があります。

複数の業者に問い合わせをする

複数の葬儀業者に問い合わせを行い、見積もりを比較することが重要です。これにより、料金相場がわかり、サービス内容も詳しく理解できるようになります。各業者の評判や口コミも参考にし、信頼できる業者を選びましょう。

家族・親族でしっかり相談する

一日葬を選ぶ前に、家族や親族と十分に相談することが大切です。一日葬に対する意見や希望を共有し、全員が納得した上で決定することで、後々のトラブルを避けることができます。特に高齢の親族や、伝統を重んじる家族の意見を尊重しましょう。

キャンセル料やアフターサービスなどをしっかりチェックしておく

葬儀業者との契約前に、キャンセル料やアフターサービスについて詳しく確認しておくことが重要です。突然の変更やキャンセルが発生した場合の対応を事前に把握しておくことで、予期せぬトラブルを防ぐことができます。

口コミなどを確認する

インターネットや知人の紹介を通じて、業者の口コミや評判を確認しましょう。実際に利用した人の意見や感想は、業者の信頼性やサービスの質を知る上で非常に参考になります。ポジティブな口コミだけでなく、ネガティブな意見にも目を通すことで、より客観的な判断ができます。

具体的なプラン内容を詳細に確認する

葬儀業者との打ち合わせで、具体的なプラン内容を詳細に確認することが大切です。料金に含まれる項目やオプションサービス、追加料金の有無など、細かい点まで確認することで、後からの追加費用やサービス不足を防ぐことができます。

まとめ

一日葬は、告別式と火葬を一日で行うシンプルな形式の葬儀です。通夜を省略して1日で葬儀を行うという点で、忙しい現代社会ならではの新しい葬儀の形と言えるでしょう。葬儀費用が比較的安くなる・シンプルな形式なので遺族の負担が少なく済むなど、多くのメリットがあります。
しかし、葬儀に対して伝統や慣習を重んじる人が多いのも事実。親族や寺院との相談を十分に行い、トラブルを避けるために準備をしっかり行うことが重要です。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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