お葬式コラム

火葬にはどのくらい時間がかかる?火葬の流れと注意点も解説!

火葬は、故人が亡くなった最後に行う儀式です。火葬とは何なのか?どのくらい時間がかかるのか?などなど、わからないことが多いという方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、火葬にかかる時間や流れ、準備、参加する際の注意点などについてご紹介します。

火葬とは?かかる時間は?

火葬は、日本の葬儀において、遺体を火葬炉で焼き、遺骨を残す儀式です。以下で火葬についての詳細と、火葬にかかる時間や火葬炉の特徴について詳しく解説します。

火葬とは死後の最後の儀式

火葬とは、遺体を高温で焼くことによって遺骨を残す儀式です。仏教や神道をはじめ、多くの宗教において行われるもので、遺族が遺骨を拾い上げて故人を偲ぶ「骨上げ」などの儀式も含まれます。日本では、火葬がほぼ全てのケースで選ばれる方法であり、埋葬の前に行われることが基本です。

火葬炉の温度は?

火葬炉は、高温で遺体を焼くために設計されています。火葬炉の内部温度は800℃〜1000℃に達するとされています。この高温により、遺体が焼かれ、遺骨だけが残ります。火葬の過程では、骨や一部の金属が残ることがあり、それらは遺族に返されるか適切に処理されます。

火葬にかかる時間は?

火葬にかかる時間は、いくつかの要因によって変動しますが、一般的には1時間前後が目安です。

火葬は1時間前後で完了する

通常、火葬は1時間から1時間半程度で完了します。この時間内で遺体が完全に焼かれ、遺骨だけが残るようになります。その後、遺骨を遺族が拾い上げる「骨上げ」という儀式が行われます。

火葬炉の種類や故人の体格などで時間が前後することも

火葬にかかる時間は、使用する火葬炉の性能や種類、そして故人の体格などにより異なります。例えば、故人の体格が大きい場合や火葬炉が旧式のものである場合には、火葬にかかる時間が長くなることがあります。また、地域によって火葬炉の仕様が異なるため、場所によっても時間に差が生まれます。

火葬は午前中に行われることが多い

火葬は、葬儀が行われた直後に行われるため、通常は午前中に行われることが多いです。通夜が前日に行われ、翌日の午前中に葬儀・告別式が行われた後、火葬場へ移動して火葬を行う流れが一般的です。火葬場の予約状況や地域の慣習により、午後に行われることもありますが、午前中の方が一般的といえるでしょう。

火葬の基本的な流れは?

次に、火葬の基本的な流れや、火葬中の過ごし方などについてご紹介します。火葬は以下の流れで進行します。

火葬の流れ

1. 火葬場に出棺

葬儀や告別式が終わると、故人を火葬場へ運ぶための出棺(しゅっかん)が行われます。葬儀会場から霊柩車(れいきゅうしゃ)に棺を乗せ、遺族や親族、親しい参列者が火葬場まで同行します。霊柩車に棺を乗せる際には、棺にお別れの言葉をかけたり、花を手向けたりすることが一般的です。出棺の際には、葬儀社のスタッフが遺族や参列者を火葬場へ案内し、交通の便などに注意を払いながら行われます。

2. 火葬許可証を提出する

火葬場に到着した後、遺族または葬儀社のスタッフが火葬許可証を火葬場に提出します。火葬許可証は、役所で死亡届を提出した際に交付される書類で、火葬を行うために必要な正式な許可証です。この許可証がないと、火葬を行うことができません。火葬許可証は、火葬が完了した後、火葬場から「埋葬許可証」として返却され、遺骨を墓地に納める際に必要となります。

3. 火葬炉で納めの式を行う

火葬場で、故人を火葬炉に納める前に、納めの式が行われます。納めの式は、故人との最後のお別れをするための儀式で、参列者が棺に花や手紙などを入れて、故人に対する思いを込めます。遺族や親族が順番に棺の周りに集まり、手向けの花を添え、故人との別れを惜しみます。この納めの式は、故人に対する感謝の気持ちや敬意を示す時間であり、静かな雰囲気の中で行われます。宗教によっては僧侶による読経や神道の儀式が行われる場合もあります。

4. 棺を火葬炉に納める

納めの式が終わると、棺が火葬炉に納められます。遺族や参列者が見守る中、火葬場の職員が棺を火葬炉に入れます。このとき、棺に触れることができる場合もありますが、火葬炉の操作は専門の職員が行います。棺が火葬炉に納められると、火葬が始まります。火葬は通常1時間から1時間半ほどかかりますが、遺族や参列者はその間、火葬場の控室で待機します。この時間は、故人との思い出を語り合う場となることも多いです。

5. 遺骨を骨壺に納める

火葬が終わると、遺骨が火葬炉から取り出され、遺族や親族によって骨上げという儀式が行われます。骨上げは、火葬場の職員が遺骨を骨壺に納めるための準備をした後、遺族が二人一組で箸を使い、遺骨を骨壺に移す儀式です。
骨上げの際には、遺骨の中でも特に大切に扱われる部分があります。たとえば、仏教では「喉仏(のどぼとけ)」と呼ばれる首の骨が仏の姿に似ているとされ、特別に扱われます。この部分の遺骨を骨壺に納める際には、遺族が慎重に行います。骨壺に納められた遺骨は、後日、墓地や納骨堂に納められますが、しばらく自宅に安置することもあります。

6. 埋葬許可証を受け取る

火葬が完了した後、埋葬許可証が渡されます。埋葬許可証は、遺骨を墓地や納骨堂に納める際に必要な書類で、壺が納められる桐箱に納めて渡されることが多いです。この書類をもって、遺骨を正式に埋葬することが許可されるため、遺族は大切に保管し、埋葬の日程を決めた後に提出します。埋葬許可証がなければ、遺骨を埋葬することができないため、忘れずに受け取っておく必要があります。

火葬中の過ごし方は?

火葬中の過ごし方は、控室やロビーで待機したり、精進落としの料理をいただいたりして過ごすことが一般的です。

控室やロビーで待機

火葬が行われている間、遺族や参列者は火葬場の控室やロビーで待機することが一般的です。火葬自体は通常1時間から1時間半ほどかかりますが、この間、参列茶と故人を偲んで話をしたり、読経や祈りを捧げたりしながら、静かに過ごすのが一般的です。火葬場には、他の参列者や遺族がいることも多いため、あまり騒がずに落ち着いて時間を過ごしましょう。

精進落としの食事をする

火葬の待機時間中、または火葬後に「精進落とし(しょうじんおとし)」と呼ばれる食事をすることがあります。精進落としは、遺族や親族が故人を偲びながら食事を共にする儀式的な食事のことを指します。これは、長期間にわたる故人の供養や喪に服する生活を一区切りとし、日常生活に戻るための意味合いも含まれています。
なお、精進落としの食事は、火葬が終わってから行われるのが一般的です。火葬場の控室で簡単な軽食を取ることもありますが、正式な精進落としの場は、後ほど設けられる宴席で行われます。精進落としの食事をいつ行うかは、地域の風習や宗派などによって決まっているので、それに合わせて準備しましょう。

火葬の際に注意したいポイントは?

最後に、火葬の際に注意したいポイントについてご紹介します。以下のポイントやマナーに注意して準備・参加するようにしましょう。

火葬は亡くなってから24時間経過してから

日本の法律(墓地、埋葬等に関する法律)では、遺体は死亡から24時間以上経過しないと火葬してはならないとされています。この規定は、自然死以外の死因の場合や、間違った死亡診断を避けるために設定されています。
特に病院で亡くなった場合は、死亡証明書をもとに火葬許可証が発行され、その後、24時間以上が経過した時点で火葬が行われます。この24時間のルールを守らないと、法律違反となり、遺族や火葬場に責任が及ぶ可能性があります。例外として、伝染病などのケースでは、早めに火葬が許可される場合もあります。

火葬許可証や分骨証明書を準備する

上述したように、火葬を行う際には、火葬許可証と埋葬許可書が必須です。この書類は、役所で死亡届を提出した際に発行され、火葬場に提出しなければ火葬を行うことができません。火葬場に火葬許可証を提出し、火葬が完了すると、埋葬許可証が発行され、遺骨を墓地に納める際に使用します。
また、遺骨を複数の場所で埋葬する場合(分骨)には、分骨証明書が必要です。分骨証明書は、火葬場や役所で申請して発行してもらいます。分骨証明書がなければ、複数の墓地や納骨堂に遺骨を納めることができないため、分骨を希望する場合は事前に準備しておく必要があります。

入れてはいけない副葬品に注意する

火葬の際、故人の棺に花や手紙などの「副葬品」を入れることが一般的ですが、入れてはいけない物もあります葬炉の高温で燃えにくかったり、爆発の危険があったりするものは避けなければなりません。以下に、入れてはいけないものの一部をご紹介します。

金属製品

メガネ、アクセサリー、義歯、時計など。金属は火葬炉内で溶けたり、火葬の進行を妨げてしまったりする可能性があります。

ガラスや陶器

ガラスや陶器は熱で割れるため、火葬炉の破損につながる恐れがあります。

プラスチック製品

ペットボトルやペン、プラスチック製の人形などは、有害なガスが発生するため、副葬品として入れることはできません。

電子機器

携帯電話や電子機器類は、爆発や火災の原因となる可能性があるため入れることができません。

燃えにくい布製品

厚手の衣類や毛布などは、完全に燃えないことがあるため、入れることができません。
棺に入れる副葬品としては、花や手紙、折り鶴、故人の写真などが一般的であり、火葬に影響しないものを選びましょう。

撮影等は控えて静かに過ごす

火葬場では、撮影や大きな声での会話は控えることがマナーです。火葬は非常に厳粛な儀式であり、故人への最後の別れの場でもあります。写真撮影やビデオ撮影は一般的に避けるべきで、遺族や参列者の感情を尊重し、静かに過ごすことが大切です。
特に、棺が火葬炉に納められる「納めの式」の場面では、遺族の悲しみが深い時期であるため、静かに見守り、無駄な騒ぎを避けるようにしましょう。会話が必要な場合も、できるだけ小声で行うように配慮します。

火葬にかかる費用に注意

火葬にかかる費用は地域や火葬場によって異なります。公営火葬場は2〜10万円程度、民間火葬場は、5〜20万円程度の費用がかかるのが一般的です。これらの火葬費用には、「控室の使用料」や「遺骨を納める骨壺代」「火葬炉使用料」などが含まれます。地域や自治体によっては、補助金などを得られることがありますが、火葬にかかる費用は事前に確認し、遺族や親族で負担を分担できるようにしておきましょう。

まとめ

火葬は、故人が亡くなった最後に行う儀式です。故人との最期の別れの場となるので、後悔がないように、しっかり準備しましょう。火葬にかかる時間や手続き、流れ、注意したいマナーやポイントなど、わからないことがある場合は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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