お葬式コラム

お通夜は喪服じゃないとダメ?お通夜のコーディネート・身だしなみのマナー

お通夜に出席する際、どのような服装で行けばいいのかお悩みの方もいるのではないでしょうか?お通夜などの葬儀では喪服で参加するのが一般的ですが、喪服がないという方もいるかもしれません。また、ネットなどで「実は喪服はNG」と見かけたことがある方もいるかもしれません。そこで今回は、お通夜の服装や身だしなみのマナーについてご紹介します。

お通夜とは?

お通夜とは、故人の死を悼み、弔いのために行われる儀式のひとつです。日本の葬儀の際に、葬儀や告別式の前夜に行われるもので、通常は親族や友人、知人が集まり、故人に最後のお別れを告げるための場です。
お通夜の本来の目的は、故人が亡くなった夜に親族や近しい人々が故人の魂を守り、冥土に旅立つ準備をするために夜を共に過ごすことにあります。かつては一晩中ろうそくや灯明を灯し、交代で故人を見守る習慣もあったと言われています。現在でもその名残として、故人を偲び、遺族を慰めるために多くの人が集まる儀式として続いています。

お通夜で喪服はOK?NG?

まずは、お通夜に喪服で出席するのはOKなのかNGなのかについてご紹介します。

お通夜は喪服で参列してもOK

お通夜に喪服で出席しても問題ありません。喪服は正式な弔意を示すための服装であり、参列者として故人や遺族に敬意を表すのに適切です。喪服には略喪服、正喪服の2種類がありますが、参列者は略喪服を選びましょう。

略喪服(準喪服・平服)

男性であれば黒いスーツ、女性であれば黒いワンピースやスーツが略喪服と呼ばれます。最も一般的な喪服スタイルで、参列者は略喪服を選ぶのがマナーです。また、略喪服は準喪服や平服といった呼ばれ方をすることがありますが、どれも同じものを指しています。

正喪服

男性はモーニングコート、女性はフォーマルな黒いドレスや和服が正喪服です。正喪服は、特に葬儀や告別式に適した服装ですが、故人の家族、具体的には三親等までの親族が着用します。そのため、親族ではない場合は略喪服を選んで問題ありません。

なお、ネットなどで「お通夜に喪服はNG」という意見が見られるようになった理由は、「死を予測していたのでは?」と感じさせてしまう可能性があるからです。特に、お通夜は故人が亡くなった夜に行われることから、このような意見が広まったとされています。さまざまな用途で使われる略喪服は持っている方が多いでしょうし、親族に失礼にあたるということはありません。あまりこの意見を真に受けず、略喪服で参列しましょう。

黒がない場合は、地味な色のスーツや平服で

黒の略喪服がない、事前に準備する時間がないという場合は、地味な濃い色(グレーや紺)のスーツを選び、派手な装飾や色彩を避けるのが一般的なマナーです。お通夜は急な場合が多いため、略喪服でなくても礼儀正しく、落ち着いた服装であれば問題ありません。

子どもの服装はどうする?

お通夜に子どもを連れていくときは、年齢や手持ちの服で対応しましょう。子ども専用の喪服を持っていない家庭も多いため、大人と同じように派手でない、落ち着いた服装を選べば問題ありません。できるだけシンプルで落ち着いた服装を心掛け、華やかにならないようにします。子どもが中学生や高校生で制服がある場合は、制服を選びましょう。

略喪服でお通夜に行くときの服装のポイント

では、略喪服でお通夜に参列するときの服装のポイントについてご紹介します。以下のようなポイントに注意して服装を選んでください。

男性の場合

男性の略喪服には、基本的な黒いスーツやダークスーツを着用します。以下のポイントに注意してください。

黒いスーツ

略喪服としてのスーツは、黒もしくは濃い色(グレーや紺)を選ぶのが基本です。黒いシングルまたはダブルのスーツを選びましょう。派手な装飾や光沢のある生地は避け、できるだけシンプルで無地のものが理想的です。

白いワイシャツ

ワイシャツは必ず白を選びます。柄物やカジュアルなシャツは不適切です。無地の白シャツで、襟やカフスに装飾がないものを選びます。

黒いネクタイ

ネクタイは黒を着用します。無地の黒が基本ですが、光沢や模様のないシンプルなデザインが望ましいです。ネクタイピンは付けない方が良いです。

黒い革靴

靴は黒のシンプルな革靴を選びましょう。装飾の少ないプレーントゥやストレートチップが無難です。汚れがないよう、事前にきれいに磨いておくことも重要です。

黒い靴下

靴下も黒を選び、短いソックスやカジュアルなものは避けます。スーツに合わせたシンプルな黒の靴下を履くようにしましょう。

女性の場合

女性の略喪服は、ワンピースやスーツが基本です。以下のポイントを押さえて選びましょう。

黒いワンピースやスーツ

女性の略喪服は、黒もしくは濃い色(グレーや紺)のワンピースやスーツが一般的です。ワンピースの場合は膝丈またはそれ以上の長さで、体にフィットしすぎない控えめなデザインを選びます。スーツの場合は、シンプルな黒いジャケットとスカートやパンツの組み合わせが無難です。柄物や光沢のある素材は避け、無地のマットな生地を選びます。

インナーは黒やダークカラー

インナーは黒かダークカラーのブラウスやカットソーを選びます。白は目立つため避け、派手な装飾やレースなども控えめにするのが良いでしょう。

黒いストッキング

ストッキングは黒が基本です。肌色や柄物は不適切なので避けましょう。特に冬でもタイツではなく、黒の薄いストッキングを選ぶのがマナーです。

黒いパンプス

靴は黒のシンプルなパンプスを選びます。装飾の少ない、ヒールが低めのものが望ましいです。エナメルの光沢が強い靴や、装飾が目立つデザインは避けましょう。

アクセサリーは控えめに

アクセサリーはパールのネックレスやイヤリングなど、控えめでシンプルなものが適しています。結婚指輪以外の指輪や、光沢の強いゴールドやシルバーのアクセサリーは避けるのが一般的です。パールも、1連のものが弔事にふさわしいとされています。

バッグや小物は黒

バッグや小物も黒いものを選びます。光沢のある素材や派手なデザインは避け、マットな黒のバッグやクラッチバッグが理想です。ハンカチや靴も同様に、黒を基調にしたものを選びます。

これらのポイントを意識しておけば、故人や遺族に失礼のないスタンダードなお通夜の服装になります。黒や濃い色の基本的なアイテムと白シャツやインナーを準備しておけば事足りますし、他のシーンでも使えるので、一式を用意しておくとよいでしょう。

お通夜の身だしなの注意点は?

最後に、お通夜の身だしなみの注意点についてご紹介します。ご紹介した服装のポイントと合わせて、押さえておきましょう。

できれば黒で統一する

お通夜では、服装を黒で統一することが一般的です。黒は喪に服す色とされ、弔事の場に適しています。服だけでなく、靴やバッグ、ストッキング、靴下も黒で統一します。派手な柄や光沢、装飾の入った服は避け、無地のシンプルなものを選びましょう。黒がない場合、濃いグレーやネイビーでも大丈夫ですが、できれば黒を基調にするのが望ましいでしょう。

数珠・ふくさを持参する

お通夜に参列する際は、数珠とふくさを持参するのが望ましいです。

数珠

仏教式のお通夜では、数珠は故人の冥福を祈るために使われます。参列者は焼香の際に数珠を持ち、手元で合わせて使います。数珠は、装飾が少なく落ち着いたデザインのものが適しています。お通夜に参列する際には必ず準備しておきましょう。

ふくさ

香典を包むために、ふくさを持参します。ふくさは紫や黒など落ち着いた色を選び、光沢のないものが理想です。香典袋を直接バッグに入れるのではなく、ふくさで包んでから受付に渡すのがマナーです。

時計・アクセサリーは外す

葬儀の場では時間を気にすることが失礼とされるため、腕時計は外すか、付けていく場合は、目立たないシンプルなデザインのものを選びましょう。特に、光沢のあるメタリックや装飾的なものは避ける必要があります。女性の場合は、アクセサリーは控えめにし、ご紹介したように、結婚指輪やパールの1連ネックレスのみで参列します。

ノーメイクではなく片化粧で

お通夜では、ノーメイクは避け、片化粧で参列するのがマナーです。片化粧とは、控えめなメイクのことを指し、派手にならないようにしつつも最低限の身だしなみを整えます。ベースメイクは、ナチュラルな肌色に整え、過度なファンデーションや明るい色は避けてください。アイメイクは控えめにし、リップは肌に馴染む薄い色を選ぶのが無難。鮮やかな色や光沢の強いリップグロスは避け、マットな質感のものを選びましょう。

派手なネイルに注意

派手なネイルは避け、シンプルで落ち着いたデザインに整えることが大切です。特に、明るい色やアートデザインの入ったネイルは弔事には不適切です。ネイルカラーは、無色または淡いベージュやピンクが無難。できれば爪を整える程度に留めましょう。もし派手なジェルネイルをしている場合、可能であればお通夜前に除去することを考えましょう。どうしても除去できない場合は、目立たないよう手袋を着用するなどの工夫をしてみてください。

お通夜に適した髪型

髪が長い場合は、ポニーテールやシニヨンで後ろにまとめ、派手な髪留めや飾りは避けましょう。黒やダークカラーのヘアピンやゴムを使うのが適切です。ショートの場合は、顔にかかりすぎないよう整えてください。ヘアカラーが明るすぎる場合は、可能であればダークカラーに近づけるか、ナチュラルなトーンに整えてから参列しましょう。

コート・セーターは光沢感のない黒のシンプルなものを

寒い時期は、コートやセーターを着用することがあるでしょう。略喪服の上に着るコートは、黒や濃い色のシンプルなデザインが理想です。派手なデザインやボタン、飾りは避け、光沢のないマットな質感のものを選びましょう。セーターやカーディガンも、黒の光沢のない素材を選び、デザインも控えめなもので参列してください。

まとめ

お通夜の服装は、親族でない場合は略喪服で参列するのが一般的です。「お通夜に喪服はNG」 といった意見もありますが、正喪服でなければ問題ありません。服装や身だしなみのポイント・マナーがわからないという方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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