お葬式コラム

三回忌の服装はどうすればいい?服選びのポイントと抑えておきたいマナー

三回忌は故人を偲び、家族や親しい人たちが集まる大切な法要の一つです。服装や持ち物には特に注意が必要で、喪服や平服の選び方、数珠や香典の準備、そして法要での振る舞い方まで、礼儀を守ることが求められます。そこでこの記事では、三回忌に参列する際の服装や持ち物、そして覚えておきたい基本的なマナーについて、具体的にわかりやすく解説します。

三回忌とは?

三回忌(さんかいき)とは、故人が亡くなってから2年目の命日に行われる法要を指します。「三回忌」という言葉がややわかりにくいかもしれませんが、「回忌」というのは故人が亡くなった年を1年目として数えるため、三回忌は亡くなった年の次の年から2年後(つまり3年目)にあたります。たとえば、2021年に亡くなった場合、2023年が三回忌ということになります。
三回忌は仏教における重要な儀式の一つで、故人を偲び、その冥福を祈るために行われます。親族や親しい知人が集まり、僧侶に読経を依頼して供養を行います。なお、三回忌と葬儀は混同されやすいですが、「葬儀」とは故人が亡くなった直後に行われる儀式です。通夜、告別式、火葬などが含まれます。

三回忌の服装はどうすればいい?

三回忌は法要の一環として行われるため、葬儀とは違い多少の柔軟性はあるものの、基本的には慎ましやかな服装が求められます。

喪服が無難

三回忌は故人の供養を大切に考える場なので、基本的に「喪服」を着用するのが無難です。喪服は、葬儀や法要の正式な場で着用されるため、礼儀を重んじた場にふさわしいとされています。
喪服は「正喪服」「準喪服」「略喪服」に分かれますが、三回忌の場合は、「略喪服」や「準喪服」を選ぶことが多いです。正喪服は主に葬儀や通夜などの場で着用されるものであり、三回忌のような法要には少し格式が高すぎることがあります。そのため、比較的シンプルで動きやすい略喪服や準喪服が選ばれるのが一般的です。

喪服がない場合は平服(略喪服)を

喪服を持っていない場合や準備が難しい場合でも、全身が黒いシンプルな服装、つまり「平服」(略喪服)を選べば問題ありません。この場合の「平服」とは、日常的な服装という意味ではなく、あくまで葬儀や法要にふさわしい、落ち着いた服装のことを指します。
具体的には、黒や濃紺、濃いグレーのシンプルなスーツやワンピースなどが該当します。女性の場合なら、黒のワンピースやセットアップ・黒のジャケットとスカートもしくはパンツスーツに、靴は黒で光沢のないシンプルなものを合わせると良いでしょう。なお、靴やバッグにエナメルなど光る素材は避けてください。また、インナーやストッキングも黒を選び、アクセサリーやメイクも控えめにしましょう。

親族だけでも喪服や平服を選ぼう

親族内だけで行われる小規模な三回忌の場合でも喪服や平服を選びましょう。親族は法要において故人を供養する中心的な立場にあるため、きちんとした服装で出席することがマナーとされています。 カジュアルすぎる服装や色合いの派手な服装は避けるべきです。

三回忌の服装の選び方と注意点

男性の場合

男性が三回忌に出席する際は、基本的にブラックスーツが一般的です。三回忌は葬儀とは異なり、ややカジュアルな装いも許される場合がありますが、それでも黒を基調としたフォーマルな服装が基本です。ブラックスーツは、シングルやダブルのどちらでもかまいませんが、できるだけシンプルなデザインのものを選びましょう。
シャツは、葬儀と同様に白を選びます。色付きや柄物のシャツは避けてください。ネクタイは黒無地のものが基本です。葬儀ほど厳密ではありませんが、できる限りシンプルな黒いネクタイを選ぶのが望ましいです。

小物(靴、ベルト、アクセサリー、時計)

小物も全体的にシンプルかつ控えめなものを選びましょう。靴は、黒の革靴が基本です。デザインはシンプルなものを選び、光沢の強いものは避けます。革は殺生を連想させることからNGという意見もありますが、革靴を避けると選択肢が狭まってしまうため、最近ではOKとされています。エナメル素材などの光沢が強い靴は避けましょう。ベルトは 黒い革製のものを選び、装飾が少ないものを。
ネクタイピン・カフスボタンは基本的に避けるのが無難ですが、シンプルなデザインであれば問題ありません。光りすぎる金属製のものは控えましょう。また、派手な腕時計は避け、シンプルな黒または金属製のものを選びましょう。コートや手袋・マフラーなどを着用する場合、黒や濃紺などのダークカラーで、シンプルなデザインのものを選ぶのが適切です。

女性の場合

三回忌では略喪服が一般的なので、黒のワンピースやセットアップ、パンツスーツなどがおすすめです。重要なのは、全体的に落ち着いたデザインで、派手な装飾や露出を避けることです。スカートやワンピースを着用する場合は、膝が隠れる長さが望ましく、ミニスカートなどは避けてください。パンツスタイルも許容されますが、黒を基調にし、シンプルであることが重要です。

小物(靴、ベルト、アクセサリー、時計)

女性も、全体的に控えめで目立たない小物を選ぶのがマナーです。靴は黒のパンプスが基本です。ヒールの高さは3~5cmが理想で、極端に高いヒールは避けましょう。また、靴の素材も光沢のないシンプルなものを選ぶようにします。
バッグは、黒のシンプルデザインで、革ではなく布やスエードのような光沢のないものが理想です。アクセサリーは、結婚指輪や一連のパールネックレス、イヤリングなどが許容されますが、それ以外のアクセサリーは控えましょう。コートが必要になる場合は、男性と同様に黒や濃紺のコートを選び、派手な柄やデザインは避けます。

メイク

メイクは控えめにし、ナチュラルな印象を保つことが大切です。髪が長い場合は、シンプルにまとめるか、きちんとアップにすることが推奨されます。

子どもの場合

子どもの場合、特に年齢によってはそれほど厳しい服装は求められませんが、それでも落ち着いた色合いの服装が適しています。黒やグレー、濃紺などのフォーマルな色合いを選びましょう。男の子であれば、黒や紺のスーツ、またはブレザーに白いシャツを着用させます。女の子であれば、黒や紺のワンピースやスカート、ブラウスを着用するのが一般的。髪の毛が長い場合は、女性と同様にひとつにまとめ、髪の毛が顔にかからないようにしましょう。

施主の場合の服装は?

三回忌を主催する施主の服装は、他の参加者よりも一層フォーマルなものを選びましょう。施主は法要の主催者として、故人を供養する場で中心的な役割を果たすため、その場にふさわしい礼儀正しい服装を選ぶ必要があります。

施主は、正喪服を選ぶのが一般的です。男性であればブラックスーツ、女性であれば黒のワンピースやスーツ・着物などを着用します。施主としての立場から、略喪服よりも少し格式高い服装が求められます。

小物

小物についても、他の参列者と同様にシンプルで控えめなものを選びます。靴、バッグ、アクセサリーなどは黒を基調としたものを選び、光沢のない素材や控えめなデザインを心がけましょう。

その他

施主としての振る舞いにも注意が必要です。服装だけでなく、全体的に落ち着いた態度で臨み、会場内での挨拶や進行においても節度を守りましょう。また、携帯電話などの電子機器はオフにし、法要の進行に影響を与えないように配慮します。

三回忌で持参すべきもの

全員が用意するもの

参列者・喪主も含めて三回忌に参加する全員が各々持参すべきものは以下です。

数珠

三回忌に限らず、法要やお葬式の際には数珠を持参しましょう。数珠は仏式の儀式において使用され、手に持ってお祈りをする際に使います。数珠は、男性用、女性用でサイズやデザインが異なるので、自分に合ったものを用意しましょう。

ふくさ

ふくさは、ご香典を包む布で、慶事用と弔事用で色が異なります。弔事の場合、紫や濃い緑など落ち着いた色を選んでください。ふくさに包んでからご香典をお渡しすることが、礼儀正しい作法です。

ご香典

三回忌に参列する際には、ご香典を持参するのが一般的です。金額は関係性や地域の習慣によって異なりますが、通常1万円から2万円程度が目安です。香典袋は「御佛前(ごぶつぜん)」と書かれたものを選び、包む金額によって水引を選ぶのも忘れないようにしましょう。

ハンカチ

ハンカチも持っていると便利です。涙を拭くため、また汗を拭くためにも必要です。白や黒、グレーなどの落ち着いた色合いのシンプルなデザインを選び、派手な模様がついているものは避けるようにします。

施主が用意するもの

施主は法要の主催者であり、参列者を迎える側として様々な準備を行います。以下が施主が用意するべきものです。

供花や供物

三回忌の会場には、故人を供養するための供花や供物を準備します。供花は白や淡い色の花が基本で、季節の花を選ぶのも良いでしょう。供物は、果物やお菓子、お線香など、故人の好物やお寺のしきたりに従って用意するのが一般的です。

お布施

三回忌には僧侶を招いて読経をしてもらうため、施主はお寺に「お布施」を渡します。お布施の金額は、地域やお寺の規模、僧侶の役職によって異なりますが、数万円程度が目安です。専用の袋に包んで、失礼のないようにお渡ししましょう。

引き出物

参列者に対して感謝の気持ちを表すために、引き出物を用意することが多いです。お茶やお菓子、実用的な品物など、手軽に持ち帰りやすいものが一般的です。地域によっては「香典返し」として後日郵送する場合もあります。

出席者が持参すると便利なもの

全員が持参すべきもの以外に、必要に応じて以下のようなものがあると便利です。

雨天の場合、会場まで歩くことも考えて、黒やダークカラーの傘を用意しておきましょう。派手な色や柄物の傘は避け、シンプルで目立たないデザインのものを選びます。

レインブーツ

雨天時にはレインブーツを履くこともありますが、式場に入る前には履き替えることを忘れないようにしましょう。レインブーツ自体は便利ですが、法要の場では適切ではないため、履き替え用の靴を必ず持参します。

三回忌で覚えておきたいマナー

三回忌に参列する際には、持ち物だけでなく、服装や振る舞いにも注意を払う必要があります。

時計・アクセサリーは外す

三回忌の場では、時計やアクセサリーはできるだけ控えるのがマナーです。特に派手なデザインのものや、金属が目立つものは避けましょう。結婚指輪や一連のパールネックレスは許される範囲ですが、それ以外の装飾品は控えます。時計も光沢の少ないシンプルなものにするか、外しておくのが無難です。

ノーメイクではなく片化粧で

女性の化粧については、ノーメイクで行くのは避けた方が良いとされています。控えめな「片化粧」(簡単でナチュラルなメイク)が推奨されます。派手なメイクや濃い口紅は避け、落ち着いた印象を保ちましょう。肌のトーンを整える程度のメイクがちょうど良いです。

派手なネイルに注意

女性の爪にも注意が必要です。派手なネイルアートやカラフルなつけ爪は法要の場では不適切とされています。自然な爪の色や、薄いベージュやピンクなど控えめなカラーを選ぶようにしましょう。また、ジェルネイルや光沢の強いネイルも避けるのが望ましいです。

髪が長い場合はひとつにまとめる

女性の髪型についても、長い髪はできるだけ一つにまとめるのがマナーです。派手な髪飾りやヘアアクセサリーは避け、シンプルな髪留めや黒いヘアバンドなどで整えると良いでしょう。髪が短い場合でも、ナチュラルで落ち着いたスタイルにすることが求められます。

毛皮・動物皮は避ける

三回忌の場では、毛皮や動物の皮を使った衣服や小物は避けるのがマナーです。これらの素材は華やかで派手な印象を与えるため、法要の場にはふさわしくありません。冬場にコートが必要な場合でも、シンプルなウールコートなど光沢感のない素材を選びましょう。

コート・セーターは光沢感のない黒のシンプルなものを

寒い時期の法要では、コートやセーターを着用することがありますが、黒や濃紺・グレーなどの控えめな色を選び、光沢感のないシンプルなデザインにすることが大切です。ダウンコートや派手なファー付きのコートは避け、ウールコートなど落ち着いた素材を選びましょう。

レインブーツは履き替える

雨天時にはレインブーツを履くことがあるかもしれませんが、法要の場では式場に入る前に必ず履き替えましょう。レインブーツは外でのみ使用し、式場内では控えめな靴を履くのがマナーです。履き替えが必要な場合は、簡単に持ち運びできる靴を持参しましょう。

まとめ

三回忌は故人の供養の場であり、服装や持ち物、マナーには特に気を配る必要があります。男性・女性・子どもそれぞれに適した服装の選び方や、施主として準備すべきもの、参列者が持参するべきものも事前に確認しておくことが大切です。また、派手なネイルやアクセサリーを避け、髪型やメイクにも注意を払い、落ち着いた雰囲気を保つことがマナーです。これらのポイントを押さえて、故人を静かに偲ぶ場にふさわしい振る舞いを心がけましょう。

佐々木 昌明ささき まさあき

佐々木 昌明ささき まさあき

葬祭現場にて実務経験を重ねた後、館長として25年以上の経験から儀式、法要など多岐にわたり終活や自分史をテーマにしたセミナー講師やパネルディスカッション等多くの活動を行う。
また、東日本大地震の際には現地へ赴き、被災地支援にも携わる。
●保有資格
・葬祭ディレクター技能審査制度(厚生労働省認定)
1級葬祭ディレクター
・一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団認定 
上級グリーフケア士

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