「供花」や「花祭壇」、お葬式を彩る花についてのアレコレ。
お葬式コラム
盛籠 とは?準備方法や費用、贈る際の注意点を解説!
盛籠とは、葬儀や告別式で祭壇の近くに飾られる供え物のひとつです。葬儀に参加する際に、盛籠は準備した方がいいのか?準備する場合はどこに頼めばいいのか?など、お困りの方もいるかもしれません。そこで今回は、盛籠の準備方法や費用、贈る際の注意点などについてご紹介します。
盛籠(もりかご)とは?葬儀で必要なのはなぜ?
まずは、盛籠の概要や役割、種類についてご紹介します。
盛籠は「故人と遺族に弔意を示すための供え物」
盛籠は、日本の葬儀において故人や遺族に対して弔意を示すための供え物のひとつです。盛籠は「盛物」とも呼ばれ、祭壇の近くに飾られることが一般的です。食物、日用品、お酒、缶詰などが盛り付けられることが一般的ですが、地域や宗教によって内容が異なることもあります。
盛籠の役割
盛籠は、故人の魂が安らかに旅立てるようにする他、故人に対する敬意と感謝の気持ちを表す役割もあります。また、遺族に対する弔意や励ましの意味も込められています。
盛籠の種類
盛籠には、仏教式と神道式の2種類があります。
仏教
仏教の葬儀では、一般的に果物や缶詰、米、酒、菓子などが盛り込まれることが多いです。これらは故人への供養として捧げられ、祭壇に飾られます。
神道
神道の盛籠も仏教式と同様に、食物や酒、紙製品が供えられますが、これらは神に対して捧げるという意味合いが強く、故人への供養と共に神聖な場を保つための役割も果たします。
盛籠と生花(せいか)の違い
生花は、故人の安らかな眠りを願い、葬儀に華やかさを加えるために祭壇に供えられます。生花は見た目の美しさと香りを通じて心を和ませ、空間を浄化するという役割を持っています。供養の意味を込めると同時に、祭壇や式場を装飾する目的も含まれます。生花の役割は盛籠と同じく、供え物ですが、より装飾の意味合いが強いといえるでしょう。
盛籠の準備方法や贈り方、費用相場を解説!
盛籠の準備方法や贈り方、費用相場などについてご紹介します。
葬儀社で準備してもらう
盛籠の葬儀社に依頼して準備してもらうことができます。最も一般的で、多くの人が選ぶ方法です。
葬儀社で準備してもらうメリット・デメリット
葬儀社が行う葬儀の準備の中には、盛籠の手配も含まれます。葬儀の打ち合わせの一環として盛籠についても相談することができるので、遺族や贈り主にとって負担が少なくなるでしょう。どのような盛籠の大きさや内容についても確認できるので、安心感もあるでしょう。また、葬儀のスタイル(仏教、神道など)や地域の慣習に合った盛籠を提案してくれるのもメリットです。ただ、準備費用・手数料などがかかるため、個人で準備するよりはやや割高になる傾向があります。
贈り方
葬儀社で手配した盛籠は、通常、葬儀会場へ直接届けられ、祭壇や故人のそばに飾られます。遺族への配慮として、葬儀の開始前に贈るのが一般的です。
費用相場
葬儀社での盛籠の費用相場は、15,000円~30,000円程度です。豪華なものや特注品では、これ以上の価格になることもありますが、一般的にはこの範囲内で依頼できます。
仏具店や果物店で準備してもらう
仏具店や果物店でも盛籠を準備することができます。地域の店舗を利用する場合、地元の慣習に合った品揃えをしていることが多いです。
仏具店や果物店で準備してもらうメリット・デメリット
地域密着型の店舗では、その地域や宗教に特化した供え物が用意されていることが多く、個別の要望にも柔軟に対応してもらえることがあります。葬儀社を通さないため、直接取引が可能で費用が抑えられる場合が多いのもメリットといえるでしょう。ただ、盛籠を自分で葬儀会場に届けるか、配送手配をしなければならない場合があるのがデメリット。葬儀社で依頼するよりは、時間や手間がかかってしまいます。
贈り方
仏具店や果物店からの盛籠は、贈り主が葬儀会場に持ち込むか、事前に配送手配を行います。贈り主の名前や団体名を表示してもらうことが一般的です。贈るタイミングは葬儀開始前が理想的です。
費用相場
仏具店や果物店での盛籠の費用相場は、10,000円~20,000円程度です。規模や内容によって異なりますが、葬儀社を通すよりも安価な場合が多いです。
ネットショップで準備する
インターネット上のショップや専門店を通じて盛籠を購入することもできます。一般的になりつつある方法で、利用者が増えています。
ネットショップで準備するメリット・デメリット
24時間いつでも注文ができるため、急な葬儀でも対応しやすいのがメリットです。また、サイト上でデザインや内容を簡単に比較して選ぶことができます。また、全国への配送サービスがあり、遠方の葬儀でも対応可能。地域の葬儀社や店舗と提携している場合もあり、配送の手間もそこまでかからないでしょう。ただ、実物を確認することができない他、宗教や地域の慣習などを理解した上で、贈り主が自分で盛籠を選ぶ必要があります。
贈り方
注文する際に、葬儀場の住所や到着時間を指定して、直接配送してもらうのが一般的です。贈り主の名前や団体名が記載された札が付けられ、遺族にしっかりと贈り主の気持ちが伝わるよう配慮されています。
費用相場
ネットショップでの盛籠の費用相場は、10,000円~20,000円程度です。オプションや地域によって変動しますが、さまざまな価格帯のタイプから選ぶことができます。
盛籠を贈るときの注意点は?
最後に、盛籠を贈るときの注意点についてご紹介します。
キリスト教式は盛籠ではなく生花を
キリスト教の葬儀では、盛籠は一般的に使われません。キリスト教式の葬儀では、生花を贈るのが習わしです。生花は「永遠の命」を象徴し、故人への祈りと敬意を表します。盛籠を贈ることは、キリスト教の葬儀では不適切とされる場合が多いので、必ず事前に宗教形式を確認することが重要です。
遺族への事前確認が必要
盛籠を贈る前に、遺族に確認することが大切です。葬儀の形式や地域の慣習によっては、盛籠を受け取らないことや、他の供え物が推奨される場合もあります。また、宗教や故人の意向によって、盛籠よりも生花や別の形式が好まれることがあります。
盛籠を送るタイミングに注意
盛籠を贈るタイミングも重要です。葬儀が始まる前に会場に届けられるように手配しましょう。葬儀当日に届くように手配することで、祭壇に飾られ、適切な場所に配置されることが確実になります。特に、遠方からの配送を依頼する場合は、時間に余裕を持って準備しましょう。
香典は別で用意しよう
盛籠を贈った場合でも、香典は別で用意するのが一般的なマナーです。盛籠はあくまで供え物であり、香典は故人への弔慰金として遺族に渡されるものです。香典には現金を包むため、盛籠と香典を一緒にしないように注意が必要です。香典は、葬儀の際に受付で渡すか、弔問時に別途手渡します。
かけ紙の内容と書き方
盛籠にかける「かけ紙(熨斗紙)」は、葬儀の形式や宗教に応じて書きましょう。かけ紙の上部には「御霊前」や「御供」といった表書きを書き、下部には贈り主の名前(フルネームや団体名)を記載します。
仏教の場合
「御霊前」「御仏前」などの表書きが適切です。仏教の宗派によって違いがあるため、宗派に応じた表現を選ぶのが理想的です。
神道の場合
「御玉串料」「御神前」など、神道の形式に合った表書きが使われます。
キリスト教の場合
盛籠を贈らない代わりに、生花には「御霊前」ではなく「お悔やみ」や「追悼」などの言葉を使います。
表書きに加えて、かけ紙は黒白の結び切りの水引を使いますが、地域によっては双銀のものが用いられることもあります。
まとめ
盛籠とは、葬儀の際に祭壇の脇に飾られる、食品、日用品、酒などが入った供え物のひとつです。故人や遺族への弔意や敬意を表すために贈られるもので、宗教や地域の慣習によって内容が少し変わることがあります。また、故人や遺族の意向によっては盛籠を断ることもあるので、必ず事前に確認しましょう。盛籠を贈ろうと考えている方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。